Studio One6のパンモードがものすごく便利だが、そうなると、パン関係のプラグインの存在意義はどうなる?

随分前の話になりますが、Studio Oneがバージョンアップして、パンの設定が便利になった。

便利になった点を確認する前に、おさらい。

通常のパンと付属プラグイン

とりあえず、真ん中にドラム、左にピアノ、右にギターという音源を用意しました。
パンを動かしてみましょう。

パンを左に動かすとギターの音が消え、パンを右に動かすとピアノの音が消えてしまいます。
実は、パンというのは、音を左に動かしているわけではなく、右の音の音量を下げていっているわけです。

基本的に、今回のように、ドラム、ギター、ピアノが入っているようなものでパンを振るなんてことはあまりないと思います。
ただ、1つの音源であっても、右と左で違う音が鳴っているようなものもあったりします。
シンセとかはよくありますね。

左右で同じ音が鳴っている音源なら問題ないのですが、左右で違う音がなっているような音源だと困るわけです。

そこで、Studio Oneには、2つのプラグインが付属されています。
Binaural PanとDual Pan。

Binaural Panを使うとこうなります。

左右で別の音がなっているのですが、この場合は、モノラル、つまり1つの音にしてしまって、左右に振っているわけですね。
当然、ギターの音やピアノの音が消えてしまうことはないわけです。

Dual Panを使うとこうなります。

こっちは、もっとすごくて、左の音をそのまま右へ、右の音をそのまま左へ動かすことができる。
つまり、左右入れ替えることもできる。
なんて便利なことでしょう。

新しくなったStudio Oneのパン

ということで、おさらいをした上で、新しくなったパンを確認しましょう。
これが、また、すごいんですよ。

まず、通常のパンは最初に確認しました。

このパンの設定のところをダブルクリックします。
すると、こんなのが表示されます。

右上にバランスと表示されています。
このバランスというのが、通常のパンです。

▽をクリックすると、選択肢が出てきます。

バランス、デュアル、バイノーラルです。

デュアルがこんなの。

デュアルは、Dual Panと同じパンですね。
左の音を右へ持っていったり、右の音を左へ持っていったりできます。

バイノーラルがこんなの。

これが、Binaural Panと同じパンです。

100%のときは、音の広がりに変化がないので、通常のパンと同じように左右の音が消えてしまいます。
音の広がりを0%にするか、逆に、音を200%まで広げてしまうと、左右の音が消えずに、ちゃんとパンを振ることができます。

パン関係のプラグインの存在意義

ということで、便利にはなったのだが、そうなると、Binaural PanもDual Panも必要ないんじゃないか?という話になりますよね。

一応、プラグインの方が、もう少し細かい設定ができますよ、とマニュアルに書いているし、たしかにそうなんだろうけど、それほど細かい設定はない。

となると、存在意義があまりないかと思いきや、そうでもない場合がある。

というのが、オートメーションを使う場合。

オートメーションでパンを振ることはあるかと思います。
それは良いのですが、オートメーションをかいていることを忘れることがあるんですよねぇ。
ボクはそうです。

で、うーん、なんか右に寄りすぎてるなぁ、なんてときに、パッと手がいくのが、ミキサー画面のパン。
これが何度変更しても、変わってくれないんですよね。
おかしいなぁと悩んでいたら、そういえばオートメーションをかいていた、みたいな。

オートメーションをかいていたら、当然、何度パンをふろうと、オートメーションの位置に戻ってしまうわけですよね。
となると、オートメーションをかきなおす必要がある。

うーん、面倒くさい、というときに、プラグインの存在意義が生まれるわけです。

プラグインを挿してプラグインの方でオートメーションをかいておくと、ミキサーのパンは当然いきているわけです。
そう、オートメーションを触らずに、左右に振りなおすことができるわけです。

これは、ボリュームでも同じで、ボリュームの方はMixtoolの方に書いています。

ということで、オートメーションをかきなおすのが面倒だなぁという人にとっては、プラグインの存在意義がありますね。

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