86.パンはパンでも食べられないパンはなーんだ? ~パンの役割~

フライパン!

残念、不正解です。

さて、ふり返ってみると、パンについて書いてなかった。
正確には、エフェクターとしてのパンプラグインについてですね。
そもそも、パンなんてDAW(だいたいはミキサー部分だと思うけど)、についているわけです。
そんなものにプラグインがなぜ必要なのか。

パンのプラグインには大きく分けて2種類あります。

1つが特殊エフェクト系、もう1つが高性能系

です。

ボクが今、勝手に名付けたんですけど。

特殊エフェクトはさておき、高性能ってなんだ?って感じですよね。

特殊エフェクト系

まずは、わかりやすい特殊エフェクト系。

これは単純で、パンが動くんですね。
通常、パンというのは、音源をセンターにおくか、右寄りにするか、左寄りにするか、というものです。
このパンを動かそうというのが、特殊エフェクト系ですね。

Studio One付属のX-Trem

Cableguys社のPanCake2

audiomodern社のpanflow

Formula Audio社のEnergy Panner

などですね。

Energy Pannerは、音源の音量によって、動き方が変わったりするという、さすがの有料プラグイン。

panflowは、無料のくせに、なかなか細かな設定ができたりする。

いずれにせよ、定位を動かそうというのが、特殊エフェクト系ですね。

そう考えると、パンではないですが、ピンポンディレイなんかも、似た効果ですよね。

高性能系

高性能の内容を理解する前に、DAWのミキサーについているパンについて、復習。

そもそもパンとは

そもそも、パンというのは、音源の定位を操作するわけです。
つまり、

音を、センターで鳴らすのか、右から鳴らすのか、左から鳴らすのか

というのがパンの役割なわけです。

ちょっと右とか、ちょっと左とかもできるわけです。

で、ミキサーについているパンはどうなっているのか。

以前、書いたStudio One付属プラグインBinaural Panで使ったものを、そのまま活用してみましょう。
ミキサーのパンを動かすと、こうなる。

はい、左に、右に、音源が動きましたね。
どういう仕組みで音が動いたのか。

左にピアノ、右にギターという音源で確認すると、こうなります。

パンを左にふるとギターの音が、右にふるとピアノの音が消えました。
つまり、パンの仕組みっていうのは、

左にふったときに、右の音を小さくしていくことにより左に動いたように聴こえさせる

ようになっています。

これで問題ない場合もあれば、問題がある場合もありますよね。
右の音を左に動かしたいのに、右の音を消してどうするんだ、という場合ですね。

高性能系は何が高性能なのか

ここで高性能パンプラグインの出番です。

右の音を左に動かせるプラグイン

というのがあります。

先ほど出てきた、Studio One付属のBinaural Panがそんなやつです。

DOETC AUDIO社のDeePanpotもそういう系です。

さらには、

右の音のパン、左の音のパンを別々に設定できるプラグイン

もあります。

Studio One付属のDual Panがとかがそうですね。

Studio One、付属プラグインも性能がよいですね。
あぁ、無料版には付属していませんが。

また、Boz Digital Labs社のPan Knobも高性能系です。

こちらは、ミキサーのパンと同じように働くモードと、Binaural Panと同じように働くモードの選択ができます。
で、このプラグインの高性能なのは、そこではなく、

設定した周波数以下の音はパンの影響を受けない

というところです。

例えば、低音はセンターにおいた方が良いと言われます。
けど、パンを振ると、センターから動きますよね。

低音の音源はパンをふらないでしょうけど、低音も高音もあるような音源もあります。
その場合、低音だけをセンターにおいたまま、高音のみパンで左右にふる、ということができます。
ここらへんは、さすがの有料プラグインです。

というように、たかがパン、されどパンであったりします。
そこにお金を使うかどうかはさておき、無料版はもらっといても損はないでしょうね。

エフェクターの役割と基本の一覧はこちら

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