Studio OneのPro EQ2が、Pro EQ3へとグレードアップ。
EQがグレードアップするとは思いませんでした。
というか、どこにグレードアップする余地があるんだよ、と思っていましたが、そうきましたか。
3になって、ダイナミックEQになりました。
付属プラグインのくせに、ダイナミックEQですよ。
そして、それ以外の部分はたぶん、変わっていないのではないかな。
そもそも、Studio OneのEQは使い勝手が良かったので、さらに使い勝手がよくなりましたね。
基本情報
見た目はこんな感じ。
わからない言葉などが出てきたら、こちらで確認を。
基本的な使い方
特に確認する必要がないぐらい、普通の8バンドEQです。
LLC
位相線形ローカットフィルター。
80Hz、50Hz、20Hzから選択。
24dB/Oct(1オクターブで24dB下がる)の設定ですが、SoftをONにすると12dB/Octになる。
LC・HC
ローカットとハイカット。
Freq1でカットを開始する周波数を選んで、カーブは6、12、24、36、48dB/Octから選択。
LF・HF
ローフィルター、ハイフィルター。
この2つはピーキングフィルターとシェルフフィルターを選択可能。
シェルフフィルターは6、12、24dB/Octから選択。
Gainでブースト、カット、Freqで周波数を設定。
Qでカーブの幅を設定、Peakingの時のみ使用。
LMF・MF・HMF
ローミッドフィルター、ミッドフィルター、ハイミッドフィルター(?)であってるのかなぁ。
この3つはピーキングフィルターのみ。
Gainでブースト、カット、Freqで周波数を設定。
Qで幅を設定。
上の画像のように、複数のカーブが重なっている場合は、全体のカーブが白の線で表示される。
ちなみに、上にある、Curvesというのをオフにすると、この白の線のみが表示されるようになります。
わかりやすい方を選びましょう。
Gain
ゲインは全体の音量ですね。
AutoをONにすると、入力の音量と出力の音量が同じぐらいになるように、自動で設定してくれます。
このあたりは、Pro EQ2と同じです。
いわゆるEQなので、動画もなしです。
ダイナミックEQ
ここからが本番。
ダイナミックEQです。
上にあるDynamicsをONにすると、表示が変わります。
LF、LMF、MF、HMF、HFはダイナミックEQ対応です。
Thrs.はスレッショルドです。
Rangeは、スレッショルドで設定した音量を超えた場合に、どれだけブースト、カットするかを設定します。
どんな風に使うかというと、例えば、クローズドハイハットとオープンハイハット、シンバルで見てみましょう。
高音域をちょっとカットしてみましょう。
普通のEQとダイナミックEQとをかけていきます。
HMFの方が普通のEQ、HFの方がダイナミックEQにしてみましょう。
いかがでしょうか。
普通にカットすると、どちらももカットされてしまいますが、ダイナミックEQを使用すると、どちらかというとオープンが鳴った時だけ反応する感じでしょうか。
つまり、EQの場合、音の大きさに関わらずカットされますが、ダイナミックEQの場合、大きいときだけカットするということができます。
スレッショルドがあるところからわかるように、コンプに似ていますね。
そして、この特性を考えたときに、実は、役に立ちそうなのが、ディエッサーとしての役割ではないかとも思ったりするんです。
同じく、普通にEQをかけた場合とダイナミックEQをかけた場合で確認してみましょう。
えーっと、Studio One6になって、ディエッサーのプラグインが追加されたのですが、これでもよいのではないかと思いますよね。
サイドチェーン&ダイナミックEQ
サイドチェーンと組み合わせることもできます。
例えば、キックとベース。
ベースにPro EQ3を挿して、サイドチェーンでキックの音を取り込む。
そうすると、キックの音に反応して、ダイナミックEQが動くようになります。
極端にやっているので、ベースの音も随分変わってしまいますが、キックが聞こえやすくなるのがわかるでしょうか。
最初に普通にEQをかけたときも、キックの音は聞こえやすくなりますが、ベースの音がごっそり削られてしまっていますね。
それに比べると、ダイナミックEQの方が、必要な時だけなので、ベースの音もそこまで削られない感じですね。
そうそう、サイドチェーンに関しては、FFT Curveを選んでいるときに、雪の結晶のようなマークをクリックすると、サイドチェーンの方(今の場合、キック)の音のピークが固定表示されるようになります。
これが必要かどうかはわかりませんが。
ということで、進化したPro EQ。
ダイナミックEQになったという点だけが変わっている点ですので、悪くなった部分は一切なしですね。
より使いやすくなったのではないでしょうか。
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