Bluetooth高音質化計画~ここまで必要なかったかもしれないLDACと本当に必要なかった(と思ったけどやっぱり使った)ADC・・・と思ったら、結局、無駄を重ねた結論はシンプルだった

Bluetooth高音質化に取り組んできたのだが、色々無駄な回り道をしました。
実際に、Bluetooth高音質化を行いたいだけの人は、目次から「結局Bluetooth化に必要なものは、この3つでした」に飛んでください。
あっ、この記事の大部分は、あくまでDTM前提での話です・・・

以前はオーディオインターフェースに有線ヘッドホンを繋いでいた。

が、どうしてもPCから離れないといけないこともでてくる。
けど、その時も創っている曲を聴いておきたいわけですよね。

やっぱり無線って便利ですよね。

ということで、Bluetoothのイヤホンがほしい、となるのは、太陽が東から昇るぐらい自然なことです。

が、うちのオーディオインターフェースはBluetoothなんて対応していない。
何とかBluetoothを繋げるようにしないといけない。

BluetoothのみPCから直接繋ぐという方法もあるが、そうすると、Studio oneの音の出口をいちいち切り替えないといけない。
(いや、もしかしたら方法があるのかもしれないですが、どれだけ調べても、わからなかった。)

となるとオーディオインターフェースをBluetooth化するしかない。

Bluetooth化するためのアイテム

ということで、そんな無茶な方法があるのかと調べてみると、これっぽいな、というのがあった。

それが、

Bluetoothトランスミッター

というものだ。

ただ、それで本当にオーディオインターフェースをBluetooth化できるのか、自信がなかった。
そんなできるかどうか、やってみないとわからないものに、お金をかけるわけにはいかない。

ということで、そんなに高くないやつで試してみた。

つながるじゃないか。

「こんなのがあればいいな」というものは、だいたいあるものです。
そりゃそうですよね。
ボクが思うことなんて、みんなが考えることです。

もちろん、技術が追い付いていれば、の話ですが。

で、快適Bluetooth生活を過ごしておりました。
つい、この間までは。

快適Bluetooth生活が1年ぐらい続いたでしょうか。
正直、何も不満はない。

ただ、ふと気になってしまったんですよ。
Bluetoothの音質って、どうなんだろう、って。

なぜ、気になったのか。
それはAmazonの初売りセールだったからです(笑)

せっかくセールしているんだから、何か良いものはないかなと。
そう、必要性よりも、セールが先だったんですね。

不満がある → 解消できるもの

ではなく、

セール → 何か今より快適になるものはないか

だったわけです。

ということで、Bluetoothの音質について調べてみました。

Bluetoothのコーデック

結果わかったのが、

Bluetoothの音質はコーデックで決まる

ということでした。
ボクは、Bluetoothについては、バージョンがあるということしか知らなかったわけです。
4.0とか5.0とか。

コーデックかぁ。

コーデックには、SBC、AAC、aptX、aptX HD、LDACなどがあるそうです。

SBC(16ビット、48kHz、345kbps)
AAC(16ビット、48kHz、非公表)
aptX(16ビット、48kHz、384Kbps)
aptX HD(24ビット、48kHz、576Kbps)
LDAC(24ビット、96kHz、990kbps)

ということらしいです。

ふむふむ、で、ボクの使っているトランスミッターは、どういう仕様なのか、と調べてみると、aptX HD対応。
うむ。
じゃあ、問題がないじゃん。

なになに、点滅しかたで、つながっているコーデックの状態がわかるって。
えーっと、SBC・・・。
いや、aptX HDじゃねぇのか。
しかも、切り替えられねぇ。

と、ほとんどボタンのないトランスミッターと格闘した結果、気づいたこと。
ヘッドホンがaptX HDに対応していない。

そりゃ、無理じゃん。

なになに、ボクの使っているヘッドホンの対応は、SBC、AAC、LDAC・・・
LDAC!!

そうなると、選択肢は2つ。

1.aptX HDに対応するワイヤレスヘッドホンを購入
2.LDACに対応するトランスミッターを購入

ただなぁ、ボクのワイヤレスヘッドホンは、audio-technicaのATH-HL7BTという開放型のやつ。
すごく気に入っているんだよなぁ。

しかも、aptX HDよりLDACの方が高音質なら、LDACでしょう。

となると、LDACに対応するトランスミッターを探すか。

LDAC対応のBluetoothトランスミッターをオーディオインターフェイスにつなぐ

探した結果見つかったのが、
FiiOというところのBTA30Pro。

というか、これ以外に、LDACに対応するトランスミッターが見つけられなかった。

とにかく、Bluetooth化するときもすごく確認したんだが、Bluetoothトランスミッターを調べると、Bluetoothレシーバーが検索結果に出てくるんですよ。
トランスミッターは送る方、レシーバーは受ける方。

LDAC対応って書いてる!と思ったら、レシーバーなんだよねぇ。

じゃあ、こいつを試してみるか。

接続の方法は・・・USB input、Optical input、Coaxial input。
なんじゃこれ。
えっとUSBはUSB、Opticalが光、Coaxialが同軸。

ボクのオーディオインターフェースの出力は・・・どれもねぇ。

ボクのオーディオインターフェースの出力はフォーン端子。
あまりよくわかっていなかったんだが、フォーン端子ってのはアナログらしい。

そもそもオーディオインターフェースはデジタルをアナログに変えてるらしい。
そして、USB、Optical、Coaxialってのはデジタルらしい。

ということで、ボクのオーディオインターフェースからつなごうと思うと、アナログ→デジタルの変換機がいる、と。
ADC(アナログ デジタル コンバーター)というらしい。

そんなわけで、ADCを探す。

あった。
あったけど、48kHz対応(ビットは不明。32ビットであることを願う)。
それしか見つからない。
192kHz対応ってのがあったので、とびついたら、デジタル→アナログ変換機(DAC)だった。

48kHzじゃ、LDACの意味なくねぇ?

しかーし、そもそもStudio Oneを48kHzで設定しているんだから、96kHzはいらねぇ。

さぁ、このあたりで、言っていることが支離滅裂になってきている気がする(・・・48kHzだったら、aptX HDと同じです)が、まぁ、気にしない、気にしない。

ということで、構成としては、こんな感じなる。

PC → オーディオインターフェース → ADC → Bluetoothトランスミッター → ワイヤレスヘッドホン

で、先ほど書いたけど、

PC(デジタル) → オーディオインターフェース(アナログ) → ADC(デジタル) →Bluetoothトランスミッター(デジタル・アナログ出力可)

と、デジタルとアナログを行ったり来たりしている。

本来であれば、デジタル出力のあるオーディオインターフェース(そんなやつがあるかどうかは知らないが)があれば、何も問題はないのだと思われる。
あるいは、Bluetooth出力があるオーディオインターフェース(そんなやつがあるかどうかは知らないが)があれば、何も問題はないのだ。
そして、(ADCで48kHzに落とされるのであれば)aptX HD対応のワイヤレスヘッドホンでも良いのだ。

結局、物を購入するときは、最初にちゃんと考えて購入しないといけないということですね。

オーディオインターフェイスのループバックをBluetoothトランスミッターで出力する

と、ここまで書いてから、ふと気づいたことがある。

このADCって、48kHzって書いているけど、Bit数が書いていない。
調べてみたけど、16Bitか32Bitかが不明なんですよねぇ。
ただ、どうも16Bitっぽい感じがしてきたんだよねぇ。

ボクの買ったADCがどうかはわからないけど、他のADC関係のものを見ていると、16Bitなのではないかと思われる。
というのも、24bitのADCを探しに探したら、ものすごい金額のものばかり出てくるから。
なんか不満。

そこで閃いたのだ。
ボクのオーディオインターフェイスって、ループバック機能というのがあったよね、たしか。

このブログ用の動画を撮るときに使っているんだから。

で、ブログ用の動画を撮るときは、ループバック機能で戻ってきた音を入力しているわけだ。

ということは、だ。
ループバックで戻ってきた音をBTA30Proで出力すればいいんじゃね?

やってみる。

つまり、BTA30Proをオーディオインターフェイスにつなぐのではなく、直接PCにつないでしまおうということだ。
そうすると、アナログをデジタルに変換して、なんてことは必要なくなるはず。
あとは、ちゃんと音が出るのかどうか、だ。

・・・できるじゃないか。
Windowの方で設定しないといけませんが。

Widows11の場合、設定>システム>サウンド>サウンドの詳細設定に入る。

「再生」で、出力したいもの(今回はBTA30Pro/すでに設定してしまっているので、画像ではBTA30Proと別のものになっていますが)を右クリックして「既定のデバイスとして設定」をクリック。

次に
「録音」で、入力したいもの(今回はオーディオインターフェイスのループバック/Virtual 1/2と表示される)を選んで、「プロパティ」をクリック。

すると、こんな画面になる。

「このデバイスを聴く」にチェックを入れる。

これで、ループバックをBTA30Proに送ることができた。

・・・ADCの存在意義がなくなった。

ループバックで送っているので、オーディオインターフェイスには音がいってる。
だから、有線ヘッドホンはオーディオインターフェイスからちゃんと音を聴ける。

無線ヘッドホンは、オーディオインターフェース→PC→BTA30Pro→Bluetoothという流れで聴ける。

マイクの入力などは、もちろんオーディオインターフェイスから。

LDACの音質と問題点

で、肝心の音はというと・・・

ものすごくクリア!

すみません。
何がどう違うのかを表現できませんが、ちょっと驚いてしまいました。

やっぱり違うものなんですね。

まぁ、「きっとよくなってるはずフィルター」がかかっている可能性はあるんですけど。

正直に書きますと、オーディオインターフェイスにBTA30Proをつないだときに「すごいクリア!」と思ったんですが、PCに直接つないだときの変化はそれほどわからなかった。
いや、そもそも、聴いている音源がそこまでの音質じゃない可能性もあるし。

そして、重要なことが、LDACはレーテンシーがすごいということ。
他のコーデックも、音質が上がるにつれ、レーテンシーが出るらしいが、さすがに高音質のLDACは特にすごいらしい。

たぶん、実際に演奏する人には無理なレベルじゃないかな。
あと、ゲームとかも困るんだろうね。

ボクは、リアルタイムで演奏とかしない人だし、ゲームをしない人だから問題ないけど。

ということで、ボクの愛用のワイヤレスヘッドホンがaptX HD対応なら必要のなかったかもしれない作業だった。
だって、BTA30Proは、前に使っていたaptX HD対応トランスミッターよりも高いんだもん。

ということで、今回の実験結果は

aptX HD対応のワイヤレスヘッドホンを買えば、高音質Bluetooth化に、そんなにお金はかからない

という感じでしょうか。

まぁ、aptX HDと直接比較していないので、わかんないけど。

とりあえず、しばらく、色々なものを聴きながら、確認しているんだけど、やっぱり音質がすごいんだということが理解できる。
これまで聴いていたときに、あまり意識していなかった音が加わっている。
加わっているというはずもなく、つまりは、今まで聴こえていなかったんですね。
いや、聴こえているけど、そこまではっきりと聴こえていなかったというのが正しいのかもしれません。

もう少し色々いじっていこうと思っております。

音質が同じであれば、オーディオインターフェースを通すべきか

結局のところ、最大の問題は、
オーディオインターフェースからBluetoothトランスミッターへ送るか、
オーディオインターフェースからループバックして、PCからBluetoothトランスミッターへ送るか、という点です。

ただ、ここに関しては、まずは、音質を同じにしないと、選択ができない。
48kHz対応のADCでは、音質という問題が出てくる。

・・・問題が出てきているかどうかは不明なのだが。

ということで、見つけたのが、Sound Blaster X3というやつ。

これだと、192.0kHzに対応している。
最初から、これを見つけていれば・・・

これで、音質が同じとなりました。
たぶんね。

オーディオインターフェースが24Bit、192.0kHz。
Sound Blaster X3とやらのLine入力も24bit、192.0kHzに設定。
Sound Blaster X3の光デジタル出力も24bit、192.0kHzに設定。
ということで、音質が同じはずだ。

(追記)
・・・間違えていた。詳しくはさらに後ろで。

違いが出るとしたら、オーディオインターフェースを通すと、アナログが途中で入るということ。
通さないと、PC→オーディオインターフェース→PC→Bluetoothトランスミッターと、ずっとUSBケーブルを通って、デジタルのまま。

そこによる違いがどれぐらいあるのか。

で、結論としては、やっぱりオーディオインターフェースを通すよね。
気分です、気分。

エフェクターとかも、実機の方が音がいいって言うし(笑)
まぁ、無駄な設定も必要ないしね。

純粋に、オーディオインターフェースに音を出すだけで、そこから、色々なところに送ってるだけで、いったんPCに戻して、とか考えなくてよいし。

本当の本当の最終結論

ということで、最終結論としては、

aptX HD対応のワイヤレスヘッドホンを買えば、高音質Bluetooth化に、そんなにお金はかからない

ということ。

・・・はっ、結論が変わっていない。

いや、色々試してみて、音質も良くなったのははっきりとしているんだけど、正直、最後らへんは、ただただ意地のようなもので・・・
ここらへんまで来ると、ボクの耳では・・・

たぶん、Sound Blaster X3も必要なかったんだと思うんだけどね。
ボクの耳では・・・

いや、Sound Blaster X3が悪いわけではなく、Bluetoothの高音質化に必要だったかどうか、という話で。
これも、ボクの耳の場合です。
耳の良い人にとっては、ものすごく違うのかもしれません。

で、色々、実験した副次的な知識としては、

ループバックしたものを出力すると、レーテンシーはさらに大きくなる

ということ。

予想はしていたけれども、実際にそうだった、ということがわかった。

ただ、LDAC自体にレーテンシーが結構あるのだから、それがさらに遅くなったところで、あまり変化はないのかもしれない。

そして、色々、試行錯誤して、失敗したり、成功したり、そんな経験をしたのが、楽しかった。

いや、aptx HDで十分ですよ。
ほんと。
金は使わないに超したことはないです、はい。

そして、

音質にこだわるなら有線を使え

ということですね。

(追記)
ミクさんは、192.0kHzには対応していなかった。
となると、オーディオインターフェースの設定は192.0kHzにできない。

ミクさんに歌ってもらう度に、192.0kHzにしたり、96.0kHz(ミクさんが対応しているのはここまで)にしたり、そんな面倒なことはない。

とは言え、ミクさん基準でずっと96.0kHzにするってのもどうかと。

・・・と、ここで、気づきました。
Sound Blaster X3があるじゃないか。

つまり、

Studio One&ミクさん(24bit/96.0kHz)
PC → オーディオインターフェース → Sound Blaster X3 → BTA30Pro → Bluetoothヘッドホン

その他(32bit/192.0kHz
PC → Sound Blaster X3 → BTA30Pro → Bluetoothヘッドホン

とすればよいのだ。

(追記)
これも、間違えていた・・・詳しくは後ろで。

出力先は、PCの設定で、Sound Blaster X3にしておけばOK。
Studio Oneの場合は、Studio Oneの出力先をアプリ上で設定ができるので、オーディオインターフェースに設定。

この構成は、Sound Blaster X3がないとできない構成だ。
単なる、ADCではできない構成だ。
ちなみに、

その他を、
PC → BTA30Pro → Bluetoothヘッドホン

と、Sound Blaster X3を経由しない方法もある。
ちなみに、BTA30Proは32bit/384kHzに対応している。

ただ、そうなると、BTA30Proへの入力が、USBと光デジタルの2種類になり、こいつが、入力先を手動で切り替えないとダメなんですよね。

Sound Blaster X3の方も、USBとLine inの2種類になるのだが、こいつは、2つの入力を同時に出力できるようになっています。
つまり、96.0kHzのDAWからの入力も、192.0kHzのPCからの入力も、切り替えなしに、かつ、同時に出力できる

(追記)
間違いがありました。くわしくは後ろで。

となると、やっぱりSound Blaster X3を経由する方がラクなんですね。

うん、Sound Blaster X3の存在意義が生まれた。
これで、無駄にお金を使ったことにはならない。

オールオッケーだ。

まぁ、何度も書くが、aptx HD対応のヘッドホンを持っていれば、こんなに話はややこしくなかったんだけど。

間違えていました。
BTA30Proは光デジタル入力は24bit/96.0kHzまででした。
つまり、BTA30ProをUSB接続するか、同軸デジタル入力をしない限り、何をどうやったって24bit/96.0kHzです。

(最終結論)
色々と間違いがありましたが、ボクの結論としては同じです。
手動で切り替えてまで32bit/384kHzが必要かというと・・・うーん。
結局、そこまでの音源もないわけで。

ということで、すべてにおいて、

24bit/96.0kHz
PC → オーディオインターフェース → Sound Blaster X3 → BTA30Pro → Bluetoothヘッドホン

という、元の設定に戻りました。

つまり、手間がかかっても、高音質だという場合は、
32bit/384kHz
PC → BTA30Pro → Bluetoothヘッドホン

とすればよいということですね。

もっと言えば、DTMをしない人、あるいは、DTMは有線でするという人は、BTA30Proだけで十分なわけです。

Bluetooth高音質化をしようとしている人の参考になれば、何よりです。

(追記)
結局、手間がかかっても、高音質の方がよいかも、と思う今日この頃。

結局Bluetooth化に必要なものは、この3つでした

うーん、追記ばっかりしている気がする。
結局、色々とやった結果、DTMは最上で24bit/96kHzだということがわかりました。
詳しくはこちら。

となると、DTM前提での無線化に必要なのは

24bit/96kHzの場合
・LDAC対応Bluetoothヘッドホン
・BTA30Pro
・光デジタル出力(192kHzも使うのであれば、RCA同軸出力)があるオーディオインターフェイス

の3つ。

ボクの場合、オーディオインターフェイスを購入時点で、Bluetooth化を考えてなかったので、もし、今から購入するのであれば、この3つだけでOK。
そして、96kHzいらねぇよって人もいると思います。
となると、

24bit/48kHzの場合
・aptX HD対応Bluetoothヘッドホン
・aptX HD対応Bluetoothトランスミッター
・トランスミッターと接続可能な端子のあるオーディオインターフェイス

の3つ。
調べてないけど、たぶんこっちの方が安価。

もっと言えば、LDAC対応のBluetoothトランスミッターについてもBTA30Pro以外も出ているかもしれませんね。
とりあえず、2023年6月時点の結論ということで。

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