奇数と奇数を足すと必ず偶数になることを証明せよ ~偶数倍音と奇数倍音~

サチュレーターのプラグインを紹介していたのですが、やっぱり気になった偶数倍音と奇数倍音について書いてみよう。

そもそも倍音とはなんぞえ、という話。

そもそも倍音とは

例えば、100Hzの音に対して、200Hzが2倍音、300Hzが3倍音、400Hzが4倍音、500Hzが5倍音・・・となるわけですね。

で、我々が聴く音というのは、基本的に倍音を含んでいるものです。

例えば、ピアノでラを鳴らすとこんな感じになります。

ラは440Hzらしいです。
一番高いところを下の鍵盤で見るとたしかに「ラ」です。

が、ラ以外のところもいっぱい音がなっていますね。

特に、飛び出ている音が右側にいくつかあります。
ラ、ミ、ラ、ド#、ミ、ラ。
ドレミで書くと、規則性があるようで、ないようで、という感じですね。

これ、Hzで書くと
880Hz、1320Hz、1760Hz、2200Hz、2640Hz、3080Hzと並んでいるんです。
これが、それぞれ440Hzの2倍音、3倍音、4倍音、5倍音、6倍音、7倍音となっているわけです。

面白いですね。

で、これが楽器によって、色々な倍音の含まれ方をするわけです。
まぁ、倍音じゃない音も含むのでしょうけど、それらの組み合わせ、割合などによって、それぞれの楽器特有の音が出来上がっているわけですね。

アナログプラグイン

実際に作られたエフェクターなどのハードの場合、実際に作っている以上、予定していない作用を起こすことがあるわけです。

これは、そういう設計をしたわけじゃないので、失敗だとも言えるわけです。

で、デジタルに変わり、ハードがソフトになると、当然、そんな予定していない作用を起こすことがなくなったわけです。
設計上でいえば、成功なんですが、なんか、ハードとソフトではちょっと違うんだよな、という人が結構いるわけです。

つまり、予定していない作用があった方が、結果的に良かった、ということです。

予定していない作用も色々あるんでしょうけど、そのうちの1つに、この倍音の付加というのもあったわけです。

だから、デジタルで作られるプラグインの中には、今もアナログ実機のモデリング、それも倍音の付加の仕方も再現したプラグインが作られているんですね。

そのあたりは、こちらで書きました。

偶数倍音、奇数倍音

で、倍数の中でも、2倍音、4倍音を偶数倍音、300Hz、500Hzを奇数倍音といいます。

この偶数倍音、奇数倍音ってのが、今回のテーマです。

というのも、

偶数倍音は温かみがあって、奇数倍音はエッジが効いている
偶数倍音は柔らかで、奇数倍音は耳障り

などというのが書いていたりするんですよね。

そして、ボクもそれを見て、どっかに書いた気がします。
とはいえ、ボクは、その音を聞いていないのです。

いや、サチュレーターを使ったことはあるので、聴いているんだけど、まぁ、いろんな音がなっているので、実際にどんなものなのかわからんのですよね。

じゃあ、確かめてみようということです。

トーンジェネレーターで、ピンポイントで音を出して、そこに倍音を付加するエフェクターで倍音を加えてみようというわけです。

まずは100Hzで確認。
先に偶数倍音、後で奇数倍音。

偶数倍音と奇数倍音で、全然音が違いますね。
・・・しかし。
・・・・・・しかしだ。

柔らかと耳障り?

じゃあ、440Hzで確認。

・・・うーん。

1000Hzで確認。

うーん。

結論

ということで、実験結果。

倍音が付加されると、音が変わる。

太くなるというか、複雑になるというか、そんな変化がある。

偶数倍音を付加したとき、奇数倍音を付加したときでは、音の変化の仕方が違う。

まぁ、当たり前か。

偶数倍音が温かいとか、奇数倍音が耳障りとか、いうことはない・・・と思う。

これは、あくまでボクの感想です。
そして、ボク的には、むしろ奇数倍音の方が温かい感じがするんだけど。

皆さんがどう感じられるかわからないので、実際のところはわかりませんね。

まぁ、いずれにせよ、偶数倍音の方が良い、とか、奇数倍音の方が良い、というものではないですね。

ちなみに、両方混ぜてみたり、倍音の付加の仕方を変えてみたら、こんな感じです。

ということで、サチュレーターを使用することで、音が太くなる、というのは確かなようです。
偶数倍音、奇数倍音に関しては、どっちがどうということではなく、結局、聴いて、自分の良いところを見つけるしかない、というところでしょうか。

パッとしない結論ですけど。

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