これまで、DTMerのためのPCのパーツについて、色々書いてきた。
・・・が、DTMerがPCを自作するとき、一からつくるときに、どんなパーツを選べばよいか、買えばよいかについては、書いていなかったなぁ、と。
ということで、自作PCをつくってみようというDTMerのために、どんなパーツを買えばよいのか、まとめておこうと思う。
あっ、金額は度外視です。
以前書きましたが、DTMerが一番お金をかけるべきはPCです。
ちなみに、つくり方は書きませんので・・・
基本マザーボードの説明書に書いていますし、ネットを探せば、いくらでも出てくるでしょう。
CPU
まずは、とにかく購入するCPUを決めましょう。
というのも、CPUによって、その後のパーツ選択が変わってくるからです。
例えば、ボクはintelのi9-14900(13900を買ったはずなのに!このあたりは13世代奮闘記を参照)というCPUを使っています。
今も売っていますが、最近は、core ultraとかいうのが出ていますよね。
で、ボクのintel core i9-14900は(魔の)14世代と呼ばれています。
core ultraは15世代と呼ばれているのかしりませんが、これ、形が違うんですよね。
i9-13900は13世代ですが、12世代から14世代まではたしか、同じ形だったはずです。
ultraから形が変わったということは、つまり、マザーボードが違うということです。
後でも書きますが、マザーボードというのは、全てのパーツをくっつけるための板です、板。
だから、CPUによって、買うべきマザーボードが変わってくるんですね。
そのため、まずはCPUを決めないといけません。
Intelの場合、DTMをするのに、i5でもいいみたいなことを言われることも多いですが、まぁ、7か9の方が良いでしょう。
ただ、これもまた世代によって違うので、今更、大昔のCPUを買う人もいないでしょうが、いくらi7でも8世代とかだったらの性能が十分かというと、微妙ですよね。
逆に、ultraならば5でもいいのかもしれません。
13世代、14世代は、不具合問題でどえらいことになったので、12世代という選択はありかもしれません。
intel以外にも、AMDというのも最近は選択肢として挙がってきます。
ボクは使ったことないから、全くわからないですけど。
当然ですが、intelとAMDも、マザーボードの互換性はないので、AMDを選んだらAMD用のマザーボードが必要になってきます。
そうそう、intelの場合、一番後ろにKとかFとかついてるのがあります。
Kはオーバークロック用で、Kがついてるやつだったとしても問題ないのですが、Fはダメです。
FはCPUのグラフィック機能がないやつです。
つまり、グラフィックボードが必ずいるやつです。
グラフィックボードを買うのであれば、Fでもいいんですけど、Fは面倒だという結論に至りました。
不具合を起こしたときに、いちいちグラフィックボードを挿さないといけないんですよねぇ。
Fじゃなければ、背面から直接つなぐだけでいいのに。
だから、グラフィックボードを買うにしても、Fは避けた方が良い気がします。
マザーボード
CPUが決まったら、マザーボードです。
CPUも、これから紹介するほかのパーツも、全てマザーボードにつなぎます。
だから、マザーボードがしょぼいと、全体的にしょぼくなるんです。
ものすごく高価じゃなくても、それなりのものの方がよいでしょうね。
メーカーによって、だいたい3タイプぐらい用意されています。
タイプごとに、いくつかの選択肢が用意されている、みたいな感じです。
だいたい、一番上のタイプはゲーム用なんですね。
一番PCの性能を求めるのはゲームっぽいです。
あとは映像系でしょうか。
DTMer的には、できれば一番上、ぎりぎりその次、ってところでしょうか。
ボクが使っているのはASUSのマザーボードの場合、ROG、TUF Gaming、PRIMEというのがあります。
この場合、ROGを選びたいところです。
ASUSにはProArtというのもあり、この存在は、よくわかんないのですよねぇ。
当然、CPUに合ったマザーボードを選ぶのは必須ですので、お忘れなきように。
で、大きさ。
一般的にはATXというものでしょう。
それより小さいmicroATXやmini-ITXというのもありますが、どうしても小さいパソコンをつくりたいということがなければ、ATXでよいでしょう。
マザーボードが小さいということは、つなげられるパーツもどうしても減ってしまいますからねぇ。
それ以外の判断基準は、まぁ、それほど重要ではないかな、と。
メモリが2本させるか、4本させるか、とか、M2.SSDはいくつさせるか、とかもあるけど、上の方のクラスであれば、その中で使えばいいんじゃないかなぁ、と。
下の方のクラスになれば、ちゃんとチェックする必要があるかもしれませんけど・・・
CPUクーラー
CPUを冷やすためのクーラー。
グレードの低いCPUなんかは、付属でついてきたりするんですけど、上のグレードのCPUはついてこないので、別で購入する必要があります。
で、グレードが高いCPUは簡易水冷(マニアックな本格水冷というのがあるので、それに対して「簡易」とつきます)とよばれるCPUクーラーが必要と言われています。
水冷に対して空冷と呼ばれるものがあり、空冷は厳しいと言われています。
ただ、簡易水冷って耐久性が短かったり、不具合が起きやすかったりで、使い勝手は空冷の方がいいんですね。
ということで、ボクは、空冷にがんばってもらっています。
ただ、そうなると、ものすごく大きなCPUクーラーになったりします。
簡易水冷にせよ、大きなCPUクーラーにせよ、ケースに入らない場合があります。
後でも書きますが、PCケースを選ぶときに気を付けないといけません。
CPUグリス
CPUグリスというのは、CPUの背面に塗って、CPUとCPUクーラーをくっつける糊みたいなものです。
糊みたいって書きましたが、くっつけることが目的ではなく、CPUの熱をCPUクーラーにちゃんと移すようにするためのものです。
金属の板と金属の板では、熱が移りにくいから、その間に挟むんですね。
CPUグリスは、基本的にはCPUクーラーについてくると思うので、それを使えば大丈夫です。
ただ、まれにCPUクーラーについていなかったり、CPUグリスにも性能ってのがあるので、より良い性能のCPUグリスをあえて買うのもありでしょう。
メモリ
マザーボードが決まれば、メモリを決められます。
マザーボードによって、挿すことができるメモリが決まってくるからです。
このあたりも、注意が必要です。
メモリにも世代みたいなのがあり、DDR5とかDDR4とかが世代になります。
今時点では、まだDDR5は対応していないというマザーボードも存在しますし。
で、DTMerがメモリを選ぶ基準は何ギガか、です。
メモリにも性能ってのがあって、DDR4-3200とか、DDR4-3600とかがあって、後ろの3200、3600が性能です。
数字が大きい方が性能はよいのですが、正直、DTMerはそれほど気にしなくてもいいかなぁ、思います。
それよりも、容量です。
なぜなら、どれだけプラグインを立ち上げられるかは、メモリ容量によるからです。
それなりのCPUを使っていれば、CPUが限界になるまえに、メモリが限界になると思います。
16GB×4で64GBでもいいと言われますが、欲をいえば、32GB×4の128GB。
64GB×4の256GBならなお良いですね。
4枚挿しは不安定になりやすいと言われますが、ボクはあまり感じたことがないです。
心配なら、2枚挿しにしておきましょう。
2枚挿しなら、64GB×2の128GBでしょうか。
そうそう、メモリにはノートPC用のものもあり、長さが違うので注意が必要です。
ストレージ
ストレージは、マザーボードに合わないとかないので、安心してください。
ただし、M2.SSDの挿し口がないマザーボードもないではないかな。
あと、ストレージを接続できる数もマザーボードによるので、そういう確認は必要かな、と。
ストレージは、Cドライブ、つまりWindowsやDAWを入れるやつは、M2.SSDが良いでしょう。
容量は、お好きなだけ。
DTMにおいて、ストレージの容量なんて、いくらあってもいい。
RAIDを組めば、2つ、3つで1つのストレージとできるので、2TB×2なら4TB、4TB×2なら8TBにできます。
ただし、後から追加することはできない(できないというか、しようと思うとWindowsをクリーンインストールしないといけなくなります)ので、最初に決めてしまうのがよいでしょう。
WindowsやDAW、プラグインをインストールするので、容量が大きい方がいいに決まってますね。
DAWやプラグインをCドライブ以外にインストールされる方もおられるようですが、デフォルトでCドライブにインストールされるようになっているので、Cドライブに入れた方が不具合は起きにくいと思うんですよね。
そうなると、速度の速いM2.SSDの方が良いという結論ですね。
で、Dドライブ用はSSDやHDDでもいいと思います。
こちらは、自分のつくった曲のデータを入れておいたり、ボクなんかは、購入したプラグインのインストールファイルを全部入れていたりします。
インストールファイルを保存しておくと、復旧するときに、ものすごく便利なんですよ。
いちいち、公式ページにいって、ダウンロードして、という作業が必要なくなりますので・・・
まぁ、そういうわけで、こちらは速度は必要ないので、ほんとHDDでもいいぐらいです。
それよりも容量ですね。
できれば、Eドライブ用にも購入して、DドライブとEドライブは同期させておくと、バックアップが2つになっていいです。
プラグインはさておき、自分のつくった曲が消えると、ほんと泣きます。
というか、泣きました。
ちなみに、創っている段階の曲のデータはCドライブに保存しておくんですよ。
創り終わってから、Dドライブに移動する。
電源ユニット
電源ユニットも容量が大事。
750W~1000Wもあれば十分でしょう。
ぎり650Wぐらいでしょうか。
PCって、色々なパーツが電気を使っているのはもちろん、PCパーツ以外のものでも、PCから電気を供給するタイプのものも増えてきましたよね。
オーディオインターフェイスとかも、PCからとることが増えていますよね。
電源ユニットには、グレードというのがあって、80PLUS BRONZEとか、80PLUS SILVERとかがあるんです。
変換効率がいいということで、うーんと、電気代が安いとか、温度が上がりにくいとかメリットはあります。
GOLDでいいかと思うけど、Platinum、あまりないけど、Titaniumにする方がいいと言えばいい。
そうそう、電源ユニットには、ケーブルがついているものと、ケーブルは後から挿すタイプがあります。
後から挿すタイプの方がラクでいいですよ、これはどうでもいいですけど。
グラフィックボード
グラフィックボードはなくても大丈夫。
大丈夫なんだけど、グラフィックボードを使わないと、CPUがグラフィックの方にも使われるので、CPUの性能がやや下がると考えてもいいかもしれません。
それよりも、どちらかというと、マルチモニターをしたければ、必要になるかもしれません。
マザーボードにモニターの挿し口が1つ、ないし2つあると思います。
ただし、挿し口以上につなぎたい場合は、グラフィックボードが必要となります。
スピーカーを使っている人はあまり枚数を置けないとききますね。
ボクは4枚使ってますけど。
グラフィックボードって、高価なやつは、えげつない値段なんですよね。
正直、DTMerには、それほどの性能は必要ないので、つなぎたいモニターが挿せるだけの挿し口があれば、それほど高価なものは必要ないです。
PCケース
PCケースは大きいのが正義です。
部屋的には小さい方がいいんですけど、パソコン性能的には大きい方がいい。
というのも、大きいと、隙間が多いってことなんです。
パソコンのパーツってのは、どれもこれも、熱を持つわけです。
それを、ファンで吐き出させるんですけど、隙間がある方が、熱を冷ましやすいんです。
パーツが熱を持ちすぎると、不具合が起きるんで。
また、そもそも、パーツが入るかどうかの問題がありますから。
ケースによって、これ以上の大きさのパーツは入らないからね、ってこともありますし。
あとはとにかく見た目。
足元に置いちゃう人には関係ないけど、見えるところに置く人は、やはり見た目ですよ。
自分好みのものを置きたいじゃないですか。
ケースファン
ケースファンは、ケースにつけられるだけつけたらいいと思います。
基本的には前面と背面。
ケースによっては、上面、下面、横面にもつけられたりします。
先ほどもいいましたが、とにかく熱を外に出すことが目的なので、つけられるならつけたらいいと思います。
自作PCのケースは、ガラスやアクリルで、中が見えるようになっているものが多くて、だから、どうしても光るファンが多いです。
自由に光らせてください。
Windows
Windowsも自分で入れないといけません。
まぁ、それほどややこしいものではないのですけど。
Linuxという無料のOSもあるらしいですが、まぁ、無難にWindowsを買いましょう。
ちなみにMacはつくれませんから・・・
まとめ
たぶん、これですべてだと思います。
あと、パーツとマザーボード、PCケースとマザーボードをつなぐケーブルや、パーツを固定するためのネジって、どれかのパーツにちゃんとついているから心配しなくて大丈夫です。
購入するべきは、これだけです。
これだけのパーツを買いそろえたら、もうPCがつくれます。
本当に、これだけそろえるだけです。
つくり方は書きませんと言いましたが、ほんとにパーツさえちゃんと揃えたら、つくれるんです。
あとは、挿すべきものを挿すべきところに挿すぐらいで。
まぁ、創っている最中に、壊しても、誰も保証してくれないんですけど・・・
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