プロ(PCを壊すプロ)直伝、DTMerの危機管理 ~PCとははいつか壊れるもの~

PCが急に動かなくなった。
今回は、動かなくなったというより、なんかPINがどうたらで、ログインができなくなった。

朝、そろそろクリーンインストールでもしようかな、と思っていた、その日の昼前にログインできなくなった。
そんなことある???
まぁ、随分、いらないことをしている上に、たしか、もう少しなんとかできないかなぁって思って、設定をいじっていた気がする。

どうも、調べてみると、これは、もうお手上げな感じだったので、あきらめて、そのままクリーンインストールすることにした。
ディアクティベートする前だし、大事なものを保存する前だったので、ものすごくショックだった。

ただ、PCの構成が変わったわけではないので、アクティベートの問題は、あまり影響がなかったようだ。

ということで、PCとは壊れるものである。
タイトルにも書いたが、

壊れることを踏まえ、どうすれば、最小限の被害で済むかを書いておこうと思う。
まぁ、これまでも、いろいろと書いているんですけど。

DTMerにとって、Dドライブは必須

そもそも、パソコンを買う、もしくは作るときに、Dドライブは必須です。
Dドライブというのは、いわゆるCドライブに対して、Dドライブと呼ばれるやつです。

ちなみに、Aドライブや、Bドライブは、フロッピーディスクのことだったんですね。
AドライブでOSを立ち上げて、Bドライブでソフトを立ち上げる。

その名残で、今、OSを立ち上げているストレージ(HDDやSSD)がCドライブと呼ばれるようになったんですね。
で、昔のフロッピーディスクと違い、HDDは容量が大きいので、基本、CドライブだけでOSを動かして、ソフトを動かして、データを保存することができるようになったんです。

ただ、データを大量に保存すると、パソコンが遅くなるという問題が起きてきたんですね。
そこで登場したのがDドライブ。

CドライブでOSやソフトを動かして、Dドライブにデータを保存することで、パソコンが遅くなるという問題がやや改善されたんです。
でも今は、HDDの容量が大きくなったり、速度の速いSSDやM2.SSDができたので、これまた、Cドライブだけでも良いのですが・・・

だがしかし、PCの速度うんぬんではなく、Dドライブは重要です。

先ほど書いたように、CドライブはOSを動かしています。
ということは、OSが壊れた場合、OSを入れなおす必要があるのですが、そのときにDドライブは残るんですね。

Dドライブに保存しているものは、Cドライブ(OS)が壊れても、ちゃんと残る。

これが大事。

自分の作った曲は、OSが壊れても、残すことができます。
だから、DTMerにとって、Dドライブは必須です。

まぁ、今は、外付けHDDやSSDもあるので、それでも良いのですけど。

さて、パソコンを購入する人の場合、注意が必要なことが一つ。
Dドライブがあっても、ストレージが1つという場合があります。

ストレージというのはHDDやSSDなどのことですが、1つのHDDを2つに分けてCドライブ、Dドライブとすることができるんです。
この場合も、OSを入れなおしても、Dドライブは残る仕組みになっているんですが、1つのドライブですので、HDD自体が壊れてしまうと、CもDもないわけです。

ということで、可能な限り、

CドライブとDドライブが、2つのストレージで構成されているものの方が、被害が少ない

と言えるわけです。

まぁ、ボクはCドライブを直す際に、Dドライブを壊してしまったので、何とも言えませんが・・・

そうそう、これまで何度か書いていますが、基本的にソフトはCドライブに入ります。
Dドライブに入れられる場合もありますが、多くのソフトやプラグインが、デフォルトでCドライブにインストールされるようになっています。
Dドライブに入れられる場合でも、基本的にはデフォルトの保存場所の方が問題が起きにくいですので、無理に変えない方がよいと思います。

言い換えれば、

OSが壊れると、ソフトもなくなる

ということです。
プラグインの場合、プラグイン自体はCドライブだけど、そのプラグインで使う音源ファイルは別のドライブに保存できる場合があります。
その場合は、分けることありです。
なぜなら、OSが壊れても、残るから。

有名なところでいえば、NATIVE INSTRUMENTSなんかもそうですね。
ただ、NIの場合、その音源がどこにあるか認識させないといけないので、一からインストールするのと、どちらが便利かというと、どっちもどっちかと。

GLITCH MACHINESのプラグインの場合、保存しているフォルダの場所さえ指定すれば、ちゃんと機能するので、そういう場合はダウンロードしなおす時間がなくなるので、多少は時間の節約にもなるかと。

可能な限り、ディアクティベートをする

これは、壊れた場合というより、新しいパーツを増やしたり、入れ替えたりするとか、自分でクリーンインストールする場合ですね。

プラグインの多くは、使用するためにアクティベートしないといけない。
で、この

アクティベートって、基本的に、PCのパーツを認識している

んですね。

どのプラグインが、どのパーツで認識しているかまでは知りませんが、例えば、ストレージをHDDからSSDに変えた場合、違うPC、つまり、アクティベートされていないPCと認識される場合があるんですね。

何が困るって、

プラグインによって、アクティベートできる回数が決まっている

んです。
アクティベートできる台数と言ってもよいでしょうか。

例えば、1回しかアクティベートできないプラグインがあったとして、それをアクティベートしたまま、HDDからSSDに変える。
すると、違うPCと認識されて、新たにアクティベートはできない(1台、アクティベートされているから)。
けど、ディアクティベートしようにも、SSDからHDDに戻さないとできない(当然ですが、新しいPCはアクティベートしたPCじゃないから、ディアクティベートもできない)。

そんな状態になるわけですね。

今回、ボクのPCが壊れて、OSを入れ直しましたが、今のところ、同じPCと認識しているものが多そうです。
まだ、全部確認しているわけではないですけど。
まぁ、OSは入れなおしたけど、パーツは何も変わっていないですし。
とは言え、OSを入れなおしただけでも、違うPCと認識されていてもおかしくはない。

そうなった場合、あきらめるしかないかというと、そうでもないです。
だって、お金を払って買ったものだから。

ただ、解決方法もプラグインによって様々。

メーカーのページでアクティベートを管理できるものもあって、そういうのはとっても便利。
そもそも、アクティベートがいらない場合もある。
逆に3台までOKみたいな場合は、とりあえず諦めてしまっても、3台で使っていなければ大丈夫。

一番面倒なのは、アクティベートしたPCで、プラグイン内でディアクティベートしないとかいう場合。
この場合も、まぁ、なんとかなるんですけどね、メーカーとかに連絡して、事情を説明すれば。
DTMの場合、プラグインを作っているのが海外が多いので、それだけで単純に面倒。
まぁ、日本語で書いて送っても、おおむね、ちゃんと返事が返ってくるんですけど。

話が少しずれますが、OSを入れなおすというのは、定期的に行ってもよいんですよ。
OSを入れなおすというか、ストレージを一度、クリーンにするということですね。

特に以下に当てはまる人は、要注意。

無料プラグイン大好きな人
体験版でプラグインを確認する人
そもそもプラグイン大好きな人

基本的に、何かをインストールすると、PCはどんどん不安定になっていくと思っておいた方がよいですね。
いろいろな場所に、いろいろなものが保存されていくわけですから。

無料プラグインなんて、何が入っているか、わからないですよ(笑)

アンインストールしたらいいと思っていたら大間違い。
アンインストールしても、残骸が残っているものです。

残骸も残さず消し去ろうとすると、間違ってものすごく大事なものも消してしまってOSが動かなくなることもあります(ボクはよくやります)。

ということで、なんか最近、PCがおかしいな、という場合は、壊れてしまう前に、ディアクティベートして、自らOSのクリーンインストールをするとよいです。
できれば、コマンドプロンプトを使用して、ストレージをclean allする方が、より良いのですけど、これまた、ちゃんと調べてしないといけません。

プラグインを購入したら、記録しておく

前にも書きましたが、これは、壊れてしまった場合や、自らクリーンインストールする場合にとても便利。
先ほど書きましたが、Cドライブをきれいにするということは、基本プラグインも消えるということですから。

特に記録しておくべきことは、

・購入した販売店やメーカーのログインIDとパスワード
・プラグインを購入した販売店
・購入したプラグインのメーカー
・プラグインの名前
・プラグインのシリアル番号(認証番号?)

最低限、プラグインのダウンロード場所がわかって、ログインができれば、概ね問題ないんですけどね。
シリアル番号とかも、そこで確認はできるんですが、最初からわかっていれば、いちいち確認しなくても、インストールしなおすのに便利です。

プラグイン大好きな人の場合、自分の持っているプラグインすら、わからないという場合も少なくないですし。

ボクは基本的にDドライブを大容量(4TB×2のHDD)にしているので、Dドライブにインストールアプリを保存しています。
新しく入れなおすときは、そこからどんどんインストールしていく感じで結構おすすめです。
ただ、バージョンが古くなってる場合もあるので、まぁ、本当は、改めてダウンロードする方がよいのでしょうけど。

これを機に、プラグインの取捨選択をするというのもよいのですけど、ボクなんかはもったいなくて、どうしてもできないんですよね。

もっと楽な方法でいえば、

購入したページ、ダウンロードしたページを、全部「お気に入り」に入れてしまう

というのもありですね。
最近は、ログインしなおせば「お気に入り」も戻ってくるようなものがあったりするので、Cドライブを消しても、問題ないですし。

つまり、「お気に入り」のページを順番に開いては、ダウンロードしていくという方法ですね。
ログインIDとパスワードさえ控えておけば、その方法もありですね。

ただし、前にも書いたことがありますが、IK Multimediaだけは注意が必要。
MODO DRUMというドラム音源には、いろいろなドラムの音源が入っているのですが、その

ドラム音源のダウンロード回数が決まっている

んですよね。

その回数を超えると、新たにダウンロードするのにお金がかかります。

だから、IK関係だけは、ダウンロードしたものを、必ず保存しておくことが大事です。
何なら、複数コピーしておいてもよいぐらいです。

他にも、そういうメーカーがあるのかもしれませんが、概ね、改めてダウンロードしにいけばよいだけです。

バックアップはいくらあっても良い

DTMerにとって、Dドライブが必須と書きましたが、もっと言えば、バックアップはいくらあってもよいわけです。
ということで、Eドライブを用意して、EドライブをDドライブのバックアップにすれば、より良いわけです。

ストレージを増やすのは、自作勢か、メーカー製をカスタマイズできる人限定になってしまいますが、別に外付けのストレージでも良いです。

とにかく、どれかが壊れても、どれかが残るようにさえすれば、なんとかなるわけです。
プラグインは、まぁ、どうとでもなりますが、

自分の作ったものは二度と帰ってきません。

何時間もかけて、作ったものは、やはり大事ですよね。

設定を画像で残す

これは別に必須ということでもないのですが、ものによっては、複雑な設定をしている場合があります。

そういうものは画像に残しておくと便利ですね。

複雑じゃなくても、例えば、ボクのSTREAM DECKなんか、画像に残しておけば、設定を戻しやすいんですね。

Snapshotsを保存しておく(Studio Oneの場合)

Studio OneでSnapshotsを作っている場合の話です。
プラグインサムネイルを作成してる場合ですね。

これ、基本的に、Studio Oneの保存先をCドライブにしている場合は、当然、消えてしまいます。
プラグインの数が少なければよいですが、多いと泣きそうになります。

で、保存先は、デフォルトだと
ドキュメント
 >StudioOne
  >Snapshots
に入っています。

これ、ここにないと認識してくれないみたいです。

もう少し詳しく言えば、Songsの保存場所と同じフォルダです。
だから、移動しても良いですが、最終的に、Songsのフォルダと同じ場所にあれば、表示されるようです。

さらに、ここで注意が必要なのですが、このフォルダのなかにメーカーごとにフォルダがあって、画像が並んでいるんです。
あと、jsonファイルという、よくわからないやつがあります。
こいつも大事らしい。

ここに、設定が保存されているようです。
ボクは、このSnapshotsを動かしたり、コピーしたり、上書きしたりしていたんです。
すると、古いSnapshotsと新しいSnapshotsができてしまったわけです。

ややこしいので統合しようとして、新しい方から古い方に上書き。
が、そのときに、

「同じファイルがあるけどどうする?」

と聞かれるわけです。

「同じファイルは上書きせんでいいよ」

と答えたわけです。
だって、既にあるものはいらんもんね。

と思っていたんだけど、それをした結果、snapshots.jsonというファイルが更新されなかった。
すると、新しく入れたやつが表示されなくなったんですね。

フォルダ内に画像はあるんだけどね。

画像があるだけじゃダメみたいです。

まぁ、とにかく、Snapshotsというフォルダごとコピーして抜き出して、Dドライブなどに保存する。
Cドライブをクリアにして、Studio Oneをインストールしたら、Songsと同じフォルダに、もう一度コピーすれば大丈夫。

ちなみに、Studio Oneを最初にインストールしたときは、Snapshotsというフォルダはありません。
これ、Studio One上でサムネイルを作ったときに、自動的に作られるフォルダのようです。

まぁ、気にせずに、そのまま貼り付ければ、それでOK。

パソコンが壊れたときは、前向きに(とにかく二次被害は避けろ)

最後の最後は精神面の話になってしまいます。

パソコンが壊れてしまうなんていうのは、不幸の極致みたいなものです。

が、

パソコンが壊れる程度のことは不幸の極致ではねぇよ

って話です。
もう、不幸の極致なんて、そんなものではない。

とはいえ、極致なんて極端なことを言わなくても、まぁ、不幸な話ですよ。
今回も、なぜ、準備する前に壊れたんだ、って思ってますよ。
クリーンインストールをする準備をしているのと、していないのでは、大変さが大きく変わるのに。

とはいえ、ここで落ち込んだり、イライラしてはいけない。
落ち込んだり、イライラして、良いことなんて一つもなくて、概ね二次被害を生むだけです。

ボクもこれまで、どれほどの二次被害にあってきたことか(笑)

壊れてしまったら仕方がない。
以前より使いやすくなるように変更すればいいんです。

人間、不具合がないときに、何かを大きく変えるというのは、なかなかエネルギーがいるものです。
ここをこうしておけばよかった、と思っても、まぁ、面倒ですので、たいていしないですよ。

パソコンが壊れたということは、よりよくするための機会を強制的に与えられているわけです。

じゃあ、ただただ直すことばかり考えないで、改善することを考えてみるのもよいのではないでしょうか。
先ほどのプラグインの断捨離もそうですし、たとえばHDDをSSDに換装するのもありですし。

ついでに、今まできっかけがなく購入していなかったパーツを、新たに迎え入れるのもありなわけです。

不具合がない、多少の不具合しかないときには、がんばれないようなことも、壊れてしまえばやるしかないですし。

そして、手間はかかりますが、復旧してみると、今まで結構パソコンが不具合をおこしていたんだなぁ、ということがわかります。
完全にクリアにして、パソコンを動かしたりすると、まぁ、サクサク動くんですよね、これが。

DAWやプラグインを同じように入れても、動きが全く違う。
今回もストレージのデータ量が全く違いました。
同じものを入れているはずなのに。

結局、いろいろなガラクタが溜まっていってるんですよね。

最後に雑談

ということで、PCが壊れたついでに、壊れた時に困らないようにする方法を書いておきました。

ちなみに、今回、PCの復旧に手間取って、3回ほどOSを入れなおしました。
1回目の復旧で、8割近く直っていたのですが、なぜかiZotopeのProdct Portalが立ち上がらない。
というか、iZotopeのプラグインが全てインストールできない状態に。

何かがおかしいということで、色々試行錯誤した中で、新しく知ったこともいくつかありました。
そのあたりは、また別で書こうかな、と。

そっちは、どっちかというと「ざれごと」の分野。

全然関係ないですが、カテゴリが整理できず、結局「まなびや」にも「ざれごと」にも「パソコン」のカテゴリがある状態になりました。
DTMerに役立ちそうなやつと、役立たなさそうなやつね(笑)

PCはそこそこはわかるんですが、そこそこしかわからないので、こういうことがあると、色々学びますよね。
前回の不具合のときには、DISKPARTやら、LIST DISKやら、CLEAN ALLやらを覚えましたし。

現在、復旧は3割ぐらいですが、いくつかのプラグインを入れなおして、音を聞けましたが、やっぱり、音が鳴っているのを聞くと、やっぱり、音楽って楽しいなぁと思いました。
曲を創るとなると、なかなかのエネルギーがいるんですが、ただただプリセットなどを聴いてるのは、気楽に楽しめますよねぇ。

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