DTMerのためのPCを選ぶときの考え方~バージョンアップする際に損をするかどうかを基準に~

さて、ついでにPCの選び方についても書いておこうかと思う。

といっても、

オーバースペックは正義

のボクが書いても、

スペックが高い物を買うべし

で終了してしまう。

しかし、そうは言ってもお金という現実が存在するわけで。

というわけで、今回は、数回に分けてPCを改良していくという前提で、どうパーツを選ぶかについて書いてみよう。
つまり、お金を使うのを複数回に分けて、後からスペックを向上させていくという方法です。

改良前提で考えるとパーツは4種類に分けられる

改良していく前提で考えると、パーツには、

1.めっちゃ損をする
2.損をする
3.あまり損をしない
4.そもそもなくてもよい

の4種類がある。

この分類で、パーツを選ぶというのが大切なのではないかと思います。

メーカー製か自作か

さて、パーツを考える以前に、PCの選び方としてメーカー製か自作かという、大問題がある。

基本的に、ボクは自作をすすめたいのだが、少数派なんだろうと思う。

なぜ自作か。

自作は拡張性が高い。

これが全てです。
メーカー製もバージョンアップできるパーツはある。
なくもないけど、不便です。

バージョンアップができる、できない、もありますが、メーカーが認めている、認めていない、というのもあります。
メーカーが認めていないけど、バージョンアップできるパーツというのもありますが、その場合、メーカー保証がなくなると思います。
メーカーが認めているバージョンアップかどうかを、しっかり確認する必要があります。

ちなみに、自作って安いと認識している人もいるようですが、基本的に自作が安いということもないです。
下手したら、メーカー製の方が安いかもしれない。

ただ、バージョンアップと考えるとメーカー製は高い。
高いというよりも、メーカー製の場合、バージョンアップするためには、新しいものを購入する以外に方法がないからです。
使えるパーツも使えないパーツも、すべてひっくるめて、新しく購入する形になりますね。
自作の場合は、使いまわせるパーツもありますので、一から全て買う必要がなくなります。

メーカー製も使いまわせるパーツはありますが、メモリはあるので、メモリだけ抜いて売ってくださいと言っても、売ってくれないですからねぇ。
ただ、メーカー製を使っていて、メーカー製のパーツを使って、自作をするという手はあります。

ということで、メーカー製はバージョンアップするという観点ではあまり良くないのですが、それを補って余りあるのがメーカー保証。
自作は誰も保証してくれませんからねぇ。

あと、メーカー製の場合、ローン払いもできたりするので、そう考えると、(お金のために)徐々にバージョンアップする必要もないのかもしれません。

そうそう、もう一つ誤解されやすいのが、自作PCって特殊な技能が必要なんじゃないか、ということ。
全くそんなことないですよ。

基本的に自作PCと言いますが、実際には、「作る」のではなく、「組み立てる」だけです。
使う工具も、ドライバーぐらいです。
とにかく指定された場所に、指定されたものを固定して、指定された線を、指定された場所に挿すだけです。
プラモデルより簡単ですよ。

そうそう、こういうスタンスで話を進めるので、Macを使おうという人は参考にならないです。
Macって自作とかないですし。

ということで、パーツについて見ていきましょう。

めっちゃ損をするパーツ

まずは、めっちゃ損をするパーツについて。
つまり、ここについては、妥協せずに投資するべきだと思います。

これは1つだけ。
マザーボードです。

マザーボード(自作)

PCの性能と無関係な板なのに、PCの性能に大きく影響する板です。

そもそも、PCの全てのパーツを挿すのがマザーボードなわけです。
そう、マザーボードがPCの性能も上限を決めてしまうわけです。

つまり、パーツをバージョンアップしようと思った時に、マザーボードが対応していなかったら、バージョンアップできないわけです。

一番影響が大きいのがCPUです。

マザーボードとCPUは対応が厳しいです。
Intelなどの場合、第○世代などと書いていることがあります。

同じCore-i5でも、Core-i5 6500とCore-i5 12600は世代が違い、性能も大きく違います。
で、6500を使えるマザーボードと12600を使えるマザーボードは違うんです。

となると、最新のCPU対応のマザーボードを買っておかないと、性能の良い上の世代のCPUには変えられないわけです。
第6世代対応のマザーボードを購入したら、第10世代のCPUにはバージョンアップできないわけです。

まぁ、中古で買うのでなければ、普通は最新のもの対応、あとは1つ、2つ前対応ぐらいのものでしょうけど。

ちなみにintelで話を進めましたが、AMDというCPUもあります。
マザーボードもIntel用、AMD用があるので注意が必要です。

メモリも対応があります。
メモリはDDR3、DDR4とかの種類があります。

が、今はDDR4に対応したマザーボードがほとんどでしょう。
DDR5はまだ出なさそうな雰囲気ですし。

ストレージに関しても、それほど大きな影響はないかと思われる。
SSDというのが出てきていますが、今のところ、SSDもHDDも同じ挿し口で対応できます。

M2.SSDというのも出てきました。
こちらは、挿し口が別になるので、マザーボードに挿し口がないと使えません。

さて、マザーボードがなぜ、めっちゃ損をするのか、です。
上に書いているとおりです。

マザーボードを変えるということは、他のパーツも連動して変えなくてはいけなくなることがあるんです。
特にCPUも変えないといけないとなると、結構の額になります。

しかも、古い方のマザーボードの使い道もない。
というか、使い道は、もう一つのPCを組み立てるか、中古として売るか。

だから、マザーボードのバージョンアップというのは、数年使って、そろそろPC全体をバージョンアップしようか、というときぐらいの方がよいでしょう。

ちなみに、マザーボードを選ぶ際は、色々な挿し口(スロット)が多いものを選んだ方がよいですよ。
メモリはいくつ挿せるのか、ストレージはいくつ挿せるのか、M2.SSDはいくつ挿せるのか、など、確認した方がよいでしょう。
スロットが多いということは、バージョンアップができるということです。

大きさもATX、microATX、Mini-ITXの3種類があって、当然大きい方(ATXの方が大きい)がたくさんの挿し口があることが多く、拡張性が高いですね。
ATXよりも大きくて拡張性が高いものもありますが、一般的ではありません。

ついでに書いておくと、メーカーのPCはマザーボードを交換できません。
自作用のマザーボード、自作用のPCケースは、ネジ穴の位置が決まっているんです。

でも、メーカーのPCは独自のケースで独自のネジ穴の位置になっているので、自作用マザーボードを止められない。
逆に、メーカーのPCのマザーボードを自作用のPCケースに止めることも難しい。

当然、わざとやっているのでしょうけど。

損をするパーツ

マザーボードほどではないですが、損をするパーツというのがあります。
なぜ損をするかというと、交換するしかないからです。

つまり、一旦購入したものが無駄になってしまうパーツです。
これがCPUと電源ユニット。

CPU(自作・メーカー)

CPUはPCのスペックにおいて非常に重要なパーツ。
これこそがPCの本体と言っても過言ではないようなものです。

CPUをバージョンアップすると、PCは大きくバージョンアップします。

マザーボードのところでも書きましたが、CPUは対応したマザーボードにしかつけることができません。
ただし、それは世代の話です。

だから、同じ世代のCPUは交換可能です。
つまり、Core-i3 12600のCPUをCore-i5 12600やCore-i7 12600にバージョンアップすることは可能です。

ただ、CPUって、高いんですよ。
だから、本当は最初に良いものを入れる方が安上がりです。

どうしてもお金の問題が生じるなら、DTMを諦めて一番安いもの(Intelの場合、CELERON)を購入するかですね。
きっとDAWを動かすにはスペックな低すぎだと思うので、CPUを交換するまでは、普通のPCとして使用するべきでしょうね。
ネットを見るとか、文書を作成する程度なら、問題なく使用できるので。

とは言え、一番安いと言っても、最終的に処分されてしまうものなので、やっぱり損ですよね。

あと、メーカーのPCもCPUの交換はできなくはないと思いますが、壊す可能性の方が高いかと(笑)
対応するCPUがわかりにくいですし、CPUを交換すると動かなくなるように作られている可能性もありますし。

電源ユニット(自作・メーカー)

電源ユニットってなんだ?と思われる方が多いのではないでしょうか。
PCのパーツでCPUとかメモリとかは聞いたことがある方も多いでしょうけど、電源ユニットって?という感じが普通かと。

ただ、よく聞くのが、PCの故障で多いのは、電源ユニットの故障らしいです。

さて、この電源ユニット、容量というものがあります。
PCのパーツって、電気を使うわけです。
いろんなパーツを積めば積むほど、電気を使います。
当然、電源ユニットの容量をオーバーしたら使えません。

オーバーしなくても、ぎりぎりのところで使っていては、PCが不安定になったり、寿命が短くなったりします。

また、ファンの性能がどうたらとか、変換効率がどうたらとか、ケーブルを抜き差しできるとか、いろいろとあります。

このパーツも、交換しかできないので、お金の無駄になります。
だから、最初から良いものを選ぶ方がよいですね。

CPU同様、最初はとにかく安い物を購入するという手もなくもないですが、やっぱり無駄が多いですね。

あと、メーカーのPCも交換はできなくもないのだろうけど、できない可能性も高い。
というのも、メーカー製のPCのケースは、メーカーのパーツのためにつくられているので、大きさとかがカツカツなんです。

つまり、購入した電源ユニットがケースに収まらないという可能性もあります。

あまり損をしないパーツ

後からバージョンアップしても損をしないパーツもあります。

なぜ損をしないのか。
マザーボード、CPU、電源ユニットと違い、交換ではなく追加することができるパーツだからです。
つまり、最初に買ったパーツをそのまま使用できます。

メモリ(自作・メーカー)

メモリは比較的、追加、交換がしやすいパーツです。
上にあげたパーツに比べ、メモリに関しては、メーカーのPCも追加、交換できるようになっていることが多いです。

ただし、注意が必要なのが、マザーボードにメモリを挿すスロットがいくつあるかです。
1つしかスロットがないと、交換せざるを得ません。

4つスロットがあると、1つ挿しても、後から3つ挿すことができます。

例えば、4GBのメモリを1つだけ挿しておく。
後から、8GBのメモリを3つ追加すると、全体で28GBになります。

メモリは同じギガのものを挿した方がよいと言われます。
まぁ、もっと言えば、ギガが同じというだけではなく、同じメーカー、同じ規格、なんなら、同じ工場で同じ時期につくられたやつがよいと言われたりします。

ボクはそんなの気にせずに挿していますし、それで壊れたこともないです。
気になる方は2枚組、4枚組のメモリを購入する方が良いですが、そうなると、最初に買ったものが使えなくなっちゃいますけどね。

ストレージ(自作・メーカー)

ストレージも追加・交換がしやすいパーツです。
マザーボードさえ対応していれば、いくらでも追加できます。

メーカー製は、いくつ追加できるかの確認が必要ですけど。

安いのはHDD(ハードディスク)。
SSDの方が速度が速くて、高い。
M2.SSDはもっと速くて、もっと高い。

マザーボードのところでも書きましたが、M2.SSDは挿し口が変わるので、確認が必要です。

当然、HDDもSSDもM2.SSDも容量が小さい方が安いです。

ボクのPCは余ったHDDなども挿しているので、4つあります。

ということで、最初は容量の小さいHDDで我慢して、後から追加すると安くできます。

ただ、最初の1つに関しては、高くてもSSDかM2.SSDの方が良いです。
というのも、最初の1つはOSを動かすために使うストレージになるからです。
どうせなら、その方がスムーズに動きます。

もう1つ、方法はあります。
最初は安いHDDを使う。

後から、SSD(あるいはM2.SSD)を購入して、SSD換装を行う。
SSD換装というのは、HDDをSSDにまるまるコピーしてしまうという方法です。
OSが入っているストレージは、ただコピー&ペーストで移すということができないので、やや特殊なやりかたになります。

この場合、最終的にはSSDでOSを動かして、元々のHDDをデータ保存用に使用できます。

ちなみに、ストレージというのは、最低でも2つある方がよいです。
というのも、OSを動かすストレージは容量が満タンになると、動作が遅くなるからです。
いわゆるCドライブと認識されるやつです。

ちなみに、アプリもCドライブにインストールしないと駄目なやつが多いです。
となると、データも同じドライブに入れると、PCの性能が落ちていきます。

だから、データはCドライブ以外のストレージに入れておく方がよいです。
また、Cドライブ以外にインストールできるアプリも、分散させる方がよいでしょう。

CPUも電源もメモリもストレージも、限界ギリギリで使うというのが、性能を下げる原因になります。

モニター(自作・メーカー)

これをPCのパーツに入れてよいかどうかわかりませんが、モニターについて。
モニターも、比較的、損はしないかと。

というより、最終的にマルチモニターにするという前提で書いているんですけど。

最近のものは、まぁ、最低でも2つまではモニターを繋げることができると思います。
だから、最終的には2枚のモニターを使用する前提で考えれば、1枚目はとても小さくても、最終的には小さいサブモニターと考えるとよいかと。

そもそもなくてもよい

そもそも購入する必要がないものもあります。
けど、後から追加するのは、選択肢としてありだと思います。

グラフィックボード(自作・メーカー)

名前にグラフィックという言葉が入っているとおり、モニターに接続するためのパーツです。
主にゲームを行う人用のパーツですね。

ゲームを行うためには、映像の性能が非常に重要らしいです。
ちなみに、高いものは、50万近くのものもあったりします。

さて、DTMにグラフィックボードは必要ありません。
それほど映像に力を入れないといけないものではないですから。

ただ、グラボを導入する意味がないかというと、意味はあるんです。

グラフィックボードのないPCはたくさんあります。
この場合、CPUがグラフィックボードが行う作業を行っている状態です。

だから、グラフィックボードを積むことで、CPUの負荷を軽減することができるわけです。
CPUの作業を減らすことで、性能を上げることができるんですね。

ということで、DTMを行う人は安いものでもよいので、グラフィックボードを購入するというのは、PCの性能を上げる一つの方法ではあります。
ただし、なくても良いものです。

ちなみに、ボクのCPUはグラフィックボードの機能がないので、グラフィックボードを積まないとモニターが映りません。
その分、CPUが安いという利点があるんですね。

グラフィックボードはメーカーのPCでも挿せるようになっていることが多いと思います。
ただし、これもまた、大きさの問題があるので、挿せるかどうかに加え、どの大きさまで対応しているかの確認が必要ですね。

まぁ、これは自作PCでも同じですね。
自作用のPCケースも、小さいサイズのものがあるので、注意が必要です。

CPUファン(自作・メーカー)

CPUファンというのは、CPUを冷やすためのファンです。

CPUファンも、基本的にCPUについているので、必要はありません。

じゃあ、何のために購入するのか。
やっぱり、PCの性能が上がるからですね。

CPUというのは熱を持ちます。
ものすごい温度になるわけです。

温度が高くなると、CPUの性能が落ちます。
だから、CPUについているCPUファンで、とりあえずは動くんだけど、よりCPUを冷やせるファンの方がCPUの性能が落ちなくなる。

ということで、これまた、お金に余裕ができたら、購入するのも良いかと。

ただ、CPUファンも異様に大きなものがあったりするので、自作PCもメーカーのPCも大きさの確認が必要です。

あと、CPUファンって、後からつけることもできますが、正直、後からつけるのは面倒だという点だけ覚悟しておいてください。
他のパーツも、後からつけるのは面倒ですが、CPUファンは、一番面倒なんじゃないかと思います。

まとめ

・・・お金を貯めて、高スペックを最初から購入する方がラク。

さて、最近、PC関係で遊んでいました。
「DTMerのための」と書いているけど、たぶん、あまりDTMerのためにはなってないかもしれませんね。

PC関係も一段落ついたので、また、DTM関係に戻ろうと思いますので、DTMメインの方、またお越しください♪

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