世界は陰と陽でできている。
前回のテンション・ノートで、どうせなら、音を重ねまくってやろうぜという、テンション高めのコードについて書きました。
逆に、音なんて重ねない方がよくね?というテンション低めのやつもいるということです。
とは言え、音を重ねなければ、コードじゃないじゃないか、という真っ当な意見もあるわけです。
タイトルに反して言えば、音を重ねなければコードではないわけです。
ただ、コードの扱い方として、音を重ねないという方法はあるわけです。
言葉で説明していると、なんのこっちゃという話ですので、実際の音を見ていきましょう。
パワーコード
音を重ねないと言いながら、パワーコードは音を重ねるんですよね。
タイトルが悪いんだよな、きっと。
さて、パワーコードというのは、正確にはコードの名前ではないと思われます、たぶん。
エレキギターでよく使われます。
パワーコードは3度の音を弾かない、弾き方
ですね。
例えば、Cはド・ミ・ソですが、3度のミを弾かず、ドとソだけを弾くわけです。
C → Dm → G → Cというコード進行で確認してみましょう。
前半は普通に、後半はパワーコードで聴いてみましょう。
前半4和音、後半3和音のように見えますが、ルートの音をオクターブ上でも重ねているだけで、重ねている音は3つと2つです。
いかがでしょうか。
パワーコードというだけあって、力強い感じがしませんか?
というか、3和音だと、なんというか濁っている感じがしませんか。
全く同じものをピアノで弾くと、こうなります。
パワーコードなのに弱弱しい。
もちろん、元の音の特徴なんかも関係しているのでしょうけど、一番関係しているのは「歪み」みたいです。
「歪み」...つまり「倍音」ですね。
どうも、3度の音に倍音が加わる事で、音の衝突が起きるようなんです。
先ほどのピアノに歪みを加えてみましょう。
ピアノの音でも、歪んだら、3和音が、とたんに濁った感じになりますね。
ということで、歪みを加わった音、倍音が多い音については、パワーコードの方がすっきりすることが多いようです。
アルペジオ
パワーコードは、そうはいっても、1度と5度の音を重ねているじゃないか、って言われそうですね。
じゃあ、音を重ねないものってないのか、というと、ちゃんとあります。
それがアルペジオ。
アルペジオも正確にはコードではないんですけど・・・
アルペジオってのは何かというと、
同時にならしていたコードの音をばらして使う
という方法ですね。
Cなら、ドとミとソを同時にならさずに、一音ずつ鳴らして、でもコード感を出すというもの。
実際に聴いた方が早いですね。
こんな感じですね。
アルペジオにおいて、大切なのは、同じパターンを繰り返すということですね。
例えば、こんな感じ。
同じようにコードの音をばらしていますが、こうなってくると、コード感はないですね。
メロディですね。
逆に言えば、メロディはこうやって創る方法もあるわけです。
だから、先にコードを決める方が、メロディをつくりやすくなります。
音を重ねないコード
最後に、いよいよ、本当に音を重ねないコード・・・と言ってよいのだろうか。
これまた、コードと言えば不正確です。
コードを並べる中で、コードの中の音を単音で鳴らすという方法。
コードの中に、単音を混ぜるというのも、選択肢としてはありなわけです。
先ほどのアルペジオと合わせるってのはどうでしょうか。
はい、こんな感じです。
コードだから重ねないといけない、という決まりはないのです。
コードを理解した上で、コードに縛られないようにしないといけませんね。
一つ前はこちら。
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