Sidechainのお話。
これ、サイドチェーンなのか、サイドチェインなのか、どっちがいいんでしょうね。
このブログでも何度か出てくる、サイドチェーン。
プラグインの紹介記事を書いていて、前から気になっていながら、そういえばまとめてなかったなぁと思ったことがあったので。
ダッキングはサイドチェーンじゃなかった
そもそも、ボクがサイドチェーンというものを知ったのが、ダッキングのお話からだったわけです。
上の記事に書いているような、四つ打ちのキックに合わせて、ゥーワァン、ゥーワァン、ゥーワァン、ゥーワァンとなるやつがダッキング(笑)
このころは、「ダッキング」のことを「サイドチェーン」だと思っていたんですね。
というか、そもそも「ダッキング」という言葉を知らなかったし。
サイドチェーンというのは、ダッキングというのを行うために、コンプに行う設定だったわけです。
つまり、Side(横)からChain(つながる・・・つなげる?)ことによって、コンプの挙動を操作するわけです。
具体的に言えば、コンプというのは、スレッショルドで設定した音量を上回ったら抑えるやつです。
「スレッショルドで設定した音量を上回ったら」と書きましたが、何の音量かと言えば、当然、コンプを挿した音源の音量なわけです。
キックにコンプを挿せばキックの音量、ギターに挿せばギターの音量、ベースに挿せばベースの音量が、スレッショルドを超えたら抑えるわけです。
それを、横入りしてくるのがサイドチェーン。
ベースに挿したコンプに、横から(?)キックの音を入れるわけです。
すると、ベースの音量がスレッショルドを超えるかどうかで抑えていたコンプが、ベースの音量と関係なく、キックの音量がスレッショルドを超えるとベースの音量を抑えることになる。
スレッショルドの音量を超えたかどうかはキックの音量を基準にして、その結果、抑え込むのはベースの音量になってるわけです。
図書室で真面目に勉強していたところ、他の友だちがやってきて大声で話しかけてきた結果、何もしていなかった自分が先生に怒られた、みたいな感じでしょうか。
そうか、外から横入りしてくるのがサイドチェーンなんだな、と理解していたわけです。
間違ってはないんだけど、正しくもなかったんですね。
内部サイドチェーンってなんだ??
しばらくして、プラグインのSidechainの設定に、EXTとINTというのが出てきたんですね。
EXTは外部サイドチェーン、INTは内部サイドチェーン。
内部????
内部ってなんだ?
サイドチェーンって、「外部」から横入りしてくるんじゃないのか?
とか思ったわけですよ。
例えば、ダイナミックEQでそんなのが出てきたり。
ダイナミックEQって、音量によって、ブースト/カットをしたり、しなかったりするタイプのEQ。
音量によって変えるってので、コンプに似た機能がついたEQみたいなものですね。
コンプと似た機能なので、サイドチェーンってのはわからなくもない。
・・・が内部って???
で、よくよく調べてみると、こんな感じだった。
そのダイナミックEQで、500Hzをカットしようとする。
スレッショルドで設定した音量を超えた時だけ、カットするような設定。
この場合、当然、元の音源の500Hzの部分の音量がスレッショルドを超えるかどうかが基準になります。
外部サイドチェーンの場合、例えば、ボーカルの声を基準にするということができる。
ボーカルの声の音量が上がったときに、500Hzの部分をカットする。
すると、ボーカルの声が良く聴こえるようになる。
・・・500Hzは変か?まぁいっか。
これは、まぁ、理解できる。
が、内部ってなんだろうって、調べてみると、ダイナミックEQを挿した音源をトリガーにしている。
内部だから、そうでしょうね。
ただ、500Hzの部分をカットするのに、500Hzの音量を基準にするんじゃなくて、1KHzの音量を基準にするみたいなことですね。
500Hzの音量を調整するのに、500Hzを基準にしないで別の周波数の音量を基準にする。
こういうのも、サイドチェーンってことになるわけですね。
たしかに、キックとベースのトラックがあって、ベースにコンプを挿してという場合は、キックという別のトラックから持ってくることはできる。
が、例えば、2MIXにしてしまって、全ての楽器の音が1つの音源にまとまっている。
この場合であっても、外から持ってくる音源はないけど、内部のキックの音量に合わして、別の周波数の音量をブーストしたりカットしたり、ということができるわけですね。
つまり、別のところから持ってくることがサイドチェーンじゃなくて、本来、基準とするところと別のものを基準に使ったら、それもサイドチェーンなんですね。
サイドチェーンフィルター???
ってなことを考えていると、サイドチェーンフィルターってのにであう。
フィルターって、音量ですらないじゃないか、なんてことを考えたんですよね。
で、サイドチェーンフィルターは、コンプについていることが多い。
結局、サイドチェーンフィルターって何なのかっていうと、コンプがトリガーする音を調整するためのものだったんですね。
コンプってのは、本来、挿した音源の音量がスレッショルドを超えるかどうか、なわけです。
例えば、2MIXの場合、全ての音を合わせた音量が基準になるわけですよね。
でも、そうなると、キックの音の影響が大きくなる場合もあったりするわけです。
つまり、意図せずにダッキングみたいになることがある。
そこまで極端じゃなくても。
そこで登場、サイドチェーンフィルター。
2MIXにコンプを挿してるけど、キックの音を外したい。
だから、ハイパスフィルターをかけるわけです。
もちろん、実際のキックの音を消したいわけじゃないです。
コンプにだけ入れないってことです。
そう、コンプに入れる音にだけかけるハイパスフィルターです。
そうすることで、キック以外の音量に合わせて圧縮がかかるようになるわけです。
結局、サイドチェーンって?
ということで、結局、サイドチェーンってなんだ?って話。
まぁ、よくわかんないんですけどね(笑)
ただ、なんとなくの理解としては、本来、基準とする音と、違う音をもってくるのがサイドチェーンなのかな、みたいな。
外部サイドチェーンにせよ、内部サイドチェーンにせよ、サイドチェーンフィルターにせよ、そんな感じですよね。
ということで、サイドチェーンのお話でした。
それぞれ、名前を変えてくれたらいいのに、と思うんだけど、日本人だからピンとこないだけなのかなぁ?
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