ボクはシンセサイザーが好きだ。
何が好きかって言われても、自分でもよくわからないのだが、何となく好き。
作曲を始めた頃から、なんとなくシンセサイザーを好きだったのだが、シンセサイザーって、つまみが多すぎて、何をどうすればよいかわからないから、ただただプリセットを選んで使うという感じだった。
きっと、作曲だけをしていたら、今も同じ状態だったと思う。
ただ、このブログを続けることによって、理解してきた。
ということで、ざっくりとシンセサイザーを理解できるようにまとめておこうと思う。
まぁ、間違えてることもあるかもしれませんけど・・・
そもそもシンセサイザーとは
そもそもシンセサイザーとはどういう楽器なのか、ということですね。
世の中には色々な楽器があります。
ピアノ、ギター、ベース、ドラム、トランペット、バイオリン・・・挙げだしたら、きりがないぐらいありますよね。
ピアノの音がほしかったら、ピアノを買う必要がある。
ギターの音がほしかったら、ギターを買う必要がある。
ドラムの音がほしかったら・・・
そんな金も部屋もねぇ!
ということで、気づくわけです。
ピアノの音を、ギターの音を、ドラムの音を、作り出せる機械があれば、金も部屋もそんなにいらねぇんじゃねぇの?と。
そう、シンセサイザーは、全ての音を作り出せる、楽器の神、音の神のような存在なわけです。
理論上は。
ということで、シンセサイザーは音を構成する一番シンプルな音を、加工して、加工して、加工して、特定の音(楽器の音だったら、楽器にもないような音)をつくるものです。
まぁ、結局、いろんな楽器の音は、複雑すぎて、実際にはできなかったんですけどね。
いや、できるんだけど、本物に似てる、ぐらいにしかできないって感じでしょうか。
逆に、シンセサイザーでしか出せないような音もたくさんあって、きっと、それがシンセサイザーの音になったんだと思います。
現時点でシンセサイザーを欲しいという人が、ピアノの音がほしいから、ってことはないでしょうから。
今は実機ももちろんありますが、色々な音源がパソコン上で使えるようになっています。
ピアノ音源、ギター音源、ドラム音源・・・
じゃあ、これらはどうしているのかというと、実際にピアノの音を鳴らして、それを録音しているわけですね。
ドのMIDIノートを認識すれば、ピアノのドの音を録音したやつが鳴るようになっているわけです。
強く鳴らしたり、弱く鳴らしたりしたのも録音して、ベロシティで切り替えるようになっていたりします。
つまり、色々なバージョンの音、強さや奏法、その他諸々、とにかく色々と録音しまくったやつが、よりリアルに近い音源となります。
そうなると、当然、データ量も増えていくということですね。
ちなみに、こういう、実物を鳴らして録音した音(サンプル)を使用して演奏するものをサンプラーと呼びます。
ざっくり言うと、PCで使っている音源はサンプラーとシンセサイザーに分かれるというふうに考えたらよいかと思います。
シンセサイザーで音を創る流れ
元の音を決める
シンセサイザーは音を作り出すものだと書きました。
じゃあ、何からつくるのか。
一番元の音を出すのが、オシレーターという部分です。
一番シンプルなのが、サイン波、三角波、矩形波、のこぎり波と呼ばれるやつです。
こんなやつ。
基本的には、これらから選んで、その音を加工していくことになります。
さらに、もっとよくわからん波形をつくりだして、用意していたり、自分で波形を描けるようなものもあります。
こんなやつ。
さらに、さらに、ウェーブテーブルというようなものも
これは、様々な波形を集めたやつです。
様々な波形を集めているだけなので、その中から波形を選ぶわけですが、音を鳴らしている間に、波形を変更することで、途中から音が変わっていくようにできるわけです。
あとは、色々な種類のノイズを足すことができるものもあります。
音を重ねる
さて、このオシレーターというのが、複数あるものもあります。
Serumは2つです。
Spireは4つ。
Avengerは8つ。
ということは、同時に複数の音を鳴らすことができるわけですね。
違う音を出したり、オクターブ上、下の音を出したり、違うキーの音を出したり、パンを振って右、左で違う音を出したり、できるわけです。
例えば、12半音上ならオクターブ上の音を同時に鳴らすことができます。
8半音上なら、1つの鍵盤を押すだけで、ギターのパワーコード的な感じになるわけですね。
さらには、1つのオシレータで、複数の音(キーの違う音、パンを振った音など)を出すことができるものもあります。
この場合は、波形は変えられないですけど。
音の出方を決める
エンベロープと呼ばれるやつです。
ADSRとも呼ばれます。
こういうやつです。
アタックとか、リリースとかいうやつですね。
MIDIキーボードで鍵盤を押したときに、すぐに音が出るか、徐々に音が出るか、とか、鍵盤を押し続けたときにどれぐらいの音量で音が出るか、とか、鍵盤を離してからどれぐらい音が鳴り続けるか、とかですね。
アタック(A)は、鍵盤を押して、すぐに音が出るかどうか。
リリース(R)は、鍵盤を離してから、どれぐらい音が鳴り続けるから。
サステイン(S)は、鍵盤を押し続けている間の音量ですね。
基本的に、音っていうのは、最初に最大音量になって、その最大音量が持続する場合もありますし、最大音量より少し小さくなった音が持続する場合もありますよね。
そのあたりの調整です。
ディケイ(D)は、最大音量から、サステインで設定した音量になるまでの時間。
これらの頭文字をとって、ADSRと呼びます。
シンセサイザーによっては、ADSR以外にも設定できるものもあります。
例えば、最大音量が持続する長さを調整できたり。
音の周波数を決める
これは、主にフィルターを使用します。
高音部はいらないなぁ、とか、低音部はいらないなぁとか、真ん中の音だけでいいなぁ、とか。
ハイパスフィルターを使ったり、ローパスフィルターを使ったりですね。
もちろん、シンセサイザーによって、使えるフィルターの数なども変わってきます。
時間により設定を変更する
ここらへんがシンセサイザーっぽいさにつながると思うんですけど。
いわゆるモジュレーションと呼ばれるやつです。
オシレーターのところでウェーブテーブルというのを書きましたが、例えば、ウェーブテーブルであっても、一つの波形を選んでいれば、音は変わりません。
けど、鍵盤を押している間に、波形が変わると、当然、途中で音が変わるわけですよね。
これを周期的に変更するためのものがLFOと呼ばれるものです。
こういうやつ。
例えば、ピッチの設定にこのLFOを割り当てる。
すると、ピッチがだんだん上がって、だんだん下がって、というのを繰り返します。
パンの設定に割り当てるとだんだん左にいって、だんだん右にいって、と。
この上がったり、下がったりの速度をものすごく速くしたり、ゆっくりしたりの設定をするわけですね。
先ほどのウェーブテーブルの波形を選ぶ設定に割り当てると、だんだん別の音になって、また戻って、みたいな感じになるわけです。
このLFOがいくつあるかも、シンセサイザーによって異なります。
また、エンベロープを割り当てる場合もあります。
さっき説明したやつですね。
これをピッチの設定に割り当てると、音量と同様にピッチが最初に上がって、特定のピッチで持続して、だんだん下がっていくなんて感じになるわけですね。
シンセサイザーによっては、音の出方を決めるエンベロープとは別のエンベロープが用意されている場合もあります。
実際の音の出方とは、全然別のピッチの変わり方をするようにもできるということですね。
LFOの場合は、ずっと周期的に同じ変化を繰り返しますが、こちらは時間経過での変化を自分で調整ができます。
後はランダムが選べるものもありますね。
音にエフェクトを加える
EQやらコンプですね。
音源にエフェクターをかけることがありますよね。
あれを、そもそもの音に使ってしまうわけです。
これまた、どんなエフェクターが入っているかは、シンセサイザーよって、色々ですね。
あくまで音づくりのためのエフェクターなので、簡素なものが多いです。
ただ、良い感じのエフェクターが入っているものもあります。
例えば、みんな大好きOTT。
これなんかは、Serumに入っているマルチバンドコンプが好評だったから、その部分だけを抜き出したエフェクターなわけです。
で、順番が変わりましたが、このエフェクターの設定にも、先ほどのLFOやエンベロープを割り当てることができることが多いです。
EQのブースト、カットにLFOを割り当てると、ブースト、カットを繰り返すなんてこともできるわけです。
便利つまみをつくる
LFOやエンベロープでは、設定を自由自在に操ることはできないわけです。
もっと、自分で自由に操りたいという場合のために、マクロつまみ、なんてものがあることが多いです。
ピッチを手動で動かすことはできます。
が、ピッチを手動で動かして、同時にフィルターの周波数を変更して、同時にパンをふって・・・なんてことは、手を増やさない限りできないわけで。
そんなときに、このマクロつまみを使うわけですね。
このつまみに色々な設定を同期させるわけです。
つまり、このつまみを動かすと、ピッチが上がって、フィルターの周波数設定が下がって、パンが右から左に動く、なんて設定ができるわけです。
そうなると、手は一つですみますから。
シンセサイザーの選び方
シンセサイザーの音創りの概ねの流れはこんな感じです。
もちろん、シンセサイザーにより、設定できること、できないことが、それぞれ違います。
じゃあ、どのシンセサイザーがいいんですか?という話ですよね。
これまた、目的によって変わってきます。
シンセサイザーの音が欲しいのか、シンセサイザーで音を創りたいのか、です。
ただ、シンセサイザーの音がほしいだけであれば、プリセットが多いものが良いですね。
すでに、色々な音が創られていて、そこから選ぶだけで良いですから。
プリセットが多いものというのは、人気のあるやつと考えたらよいと思います。
元のプリセットの数もそうですが、プリセット自体も販売されています。
プリセットを販売する方も、たくさんの人が使っているシンセサイザーのプリセットをつくった方が需要が多いんだから、当然ですね。
ここで、基本的にプリセットを使いたいけど、音創りもしたい、という人は注意が必要です。
シンセサイザーの音を出せるけど、音づくりができないものもあります。
例えば、SYNTHMASTER2 PLAYER。
SYNTHMASTER2というシンセサイザーがあるのですが、PLAYERの方は、SYNTHMASTER2でつくられた音を、使うことだけできるプラグインです。
NEXUS4も同様でした。
が、NEXUS4は、波形とかも変えられるようにアップデートされました。
だから、音創りもできるようになりました。
ただ、やっぱりどちらかというと、音を選ぶためのプラグインなので、最初から創るという感じではないですね。
音を選んでから、波形を変えたりできる、という感じですね。
こういうのを選んでしまうと、自分でも創ってみたいとなっても、できないですね。
シンセサイザーで音創りをしたい場合は、何が良いか。
これは、VITAL一択だと思います。
VITALって無料のシンセサイザーですが、シンセサイザーとしての機能は全く問題なく使えるものだと思います。
VITAL一択って書きましたが、別に他の人気のシンセサイザーでも良いんですよ。
ただ、VITALでできないことって、そんなに多くないと言えるぐらい、良いシンセサイザーです。
つまり、VITALで音創りをして、VITALではできないことがあるって、なってからの購入でも良いんじゃないか、ということです。
例えば、オシレーターが3つじゃ、どうしても納得がいかないから、4つ以上のものがいるんだ、とか。
VITALの波形だけだとダメなんだ、とか。
そうなってからで十分だと思います。
まとめ
概ねシンセサイザーの基礎は、これだけで十分だと思います。
もちろん、各シンセサイザーで、どうやって音を創るかというのは、シンセサイザーによってそれぞれです。
オシレーターがどの部分にあるとか、LFOの割り当て方とか。
それはもう、説明書を読むか、ボクのブログにあるやつなら、それを見てもらうか、誰かのブログかYoutubeを見てもらうか、ですね。
ボクのブログを見てもらえるように、ボクもUPしていかないとなぁ。
まぁ、ボクも何でもかんでも持っているわけじゃないしなぁ。
ところで、シンセサイザーで音創りって、どれぐらいの人がしているんでしょうかねぇ。
ボクは概ねプリセットを選ぶことが多いです。
たまに設定をいじったりはしますけど。
さすがに全ての音を創っている時間がないですし。
LOBOTIXさんみたいに、自分で創れる人ってすごいなぁと思いますよね。
何より、楽しそうに創られるんですよ。
見てて、非常に楽しい。
シンセサイザーで音創りをしてみたいという人の助けになれば何よりです♪
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