80.DTMerのためのコード入門 その3 ~トニック・サブドミナント・ドミナント~

さて、コードには役割、機能というのがあります。
簡単に言うと、似た雰囲気の音で分類したものですね。

キーがCのときのコード

コード、コードとずっと書いているけど、実際には、まだコードの話になっていません。
コードというのは、和音のことで、複数の音を重ねたものです。

現状、まだ、音を重ねないまま、きております。

今回の話を始める前に、ちょっとだけ音を重ねてみましょう。

キーがCのときのコードは、単純です。
というか、詳しい話を避けて、単純な話だけにします。

C D E F G A Bがあります。
キーがCのときのコードは、白鍵を一つ飛ばしで2つ重ねればよいだけです。

Cのときは、ド・ミ・ソ、Dはレ・ファ・ラ、Eはミ・ソ・シですね。
それだけで、コード(和音)になります。

未だ曲なんて創ったことがない、創り始めたばっかりだという人は、とりあえず、3つ重ねた音を並べるだけで問題なしです。

トニック・サブドミナント・ドミナント

さて、コードには役割、機能というのがあると書きました。

それがトニック、サブドミナント、ドミナントです。
それぞれ、T、SD(あるいはS)、Dと書かれます。

トニック(T)は安定した音。
サブドミナント(S)はやや不安定な音。
ドミナント(D)は不安定な音。

安定とか、不安定ってなんでしょうかね。
まぁ、簡単に言うと、不安定って気持ち悪い感じですね。
気持ち悪い、落ち着かない、って音です。

落ち着かない音が鳴ってたら、落ち着きたくなりますよね。
安定 → 不安定 ときたら、落ち着かないから、その後、安定を持ってこよう、みたいな。
つまりは、これがコード進行なわけです。

主要三和音

さて、T、S、Dの代表のような音があります。
トニックの代表のコードがC、サブドミナントの代表のコードがF、ドミナントの代表のコードはGです。
主要三和音と呼ばれます。

音で言えば、こんなやつです。

いかがですか?
安定、やや不安定、不安定の順ですから、なんか、最後気持ち悪くないですか。

例えば、安定(T)から不安定(D)、安定(T)で鳴らしてみましょう。

聞いたことありますよね。
まぁ、聞き覚えがあって落ち着くということもあるかもしれませんが。

T、S、Dの並べ方

このように、T、S、Dという機能があるので、並べ方によって、気持ち良くなるものと、気持ち悪くなるものがあるわけです。
そうなると、当然、この並びはありだな、この並びはなしだな、というものができてきます。

簡単に言えば、

TからS、TからDはOK、SからT、SからDもOK、DからTはOK、DからSはダメ

ということらしい。

また、

最初と最後は安定しているTがよい

とも言われます。

そうなると、良い並び方は

T → D → T
T → S → D → T
T → S → T

となります。

一番上のT → D → Tは、先ほどの、起立、礼、着席のやつですね。

T → S → D → Tは、こんな感じ。

T → S → Tは、こんな感じ。

悪い並び方は

T → D → S → T

と言われます。

DからSに進んでいるからですね。
音で聴くと、こんな感じ。

いかがでしょうか。
そんなに気持ち悪くないという人もいるかと思います。

そうなんですよね、これまでダメと言われてきたのが、必ずしもダメかというと、そうでもないんですよね。
ちなみに、これがダメだというのはクラシックの話で、最近は、普通に使われているというのもよく聞きます。

じゃあ、何でもありじゃないか、ということになるんですが、実際のところは、何でもありなんですよね。
芸術なんてものは、そういうものですし。

ただ、長く言われているということは、ある程度、真理も含まれているんだろうなぁ、ぐらいで良いのではないでしょうか。

T、S、Dの並べ方(補足)

ちなみに、T → T → D → T、のようにTが2回続いても、T → D → Tと考えればよいです。

T → T → T → S → S → S → D → Tの8小節でも、流れとしては、T → S → D → Tということですね。

また、良い流れ方として紹介しているものの最初と最後はTになっています。

ただし、必ずしも、最初と最後がTでないといけないわけではありません。

最初がSから入っても問題はないようです。
ただ、Tから入らない場合は、最後はTで終わる方がよいと言われることが多いようです。

また、最後がTでない場合もありです。

こちらも、Tで終わってないので、次のコード進行の最初をTにすることで、最後のTの代わりにする方が良さそうです。

もちろん、これらも絶対なんてことはないんですけど。

代理コード

主要三和音はC、F、Gですが、ずっと3つだけというのも味気ないものです。
Dだって、Eだって、あるわけです。

C、F、Gが一番トニックらしい、サブドミナントらしい、ドミナントらしいのですが、DやEなども、分類することはできます。

トニック・・・E、A
サブドミナント・・・D
ドミナント・・・B

ということで、
C(T) → G(D) → C(T)は、
A(T) → B(D) → E(T)にしたって良いわけですね。

Cがトニックではない

さて、トニックはCと書いてきましたが、実はCがトニックなわけではないです。

ここで出てくるのが、ディグリーネームというやつです。
コードの機能は、CやDに当てはまるのはなく、ⅠやⅤなどに当てはまるのです。
つまり、キーによって変わるということです。

改めてまとめると、

主要三和音 代理コード
トニック Ⅲ Ⅵ
サブドミナント
ドミナント

ということになります。

今回はここまで。

つづきは、こちら。

一つ前はこちら。

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