アマチュアという幸せ

プロという言葉がある。

プロとは何か、というのは色々ある。

相田みつを「プロというのは、寝ても覚めても仕事のことを考えている」

王貞治「プロというのは、ミスをしてはいけないんですよ。プロは自分のことを、人間だなんて思っちゃいけないんです」

米長邦雄「窮地に立たされた時、的確な手を打てるのがプロ」

輿水精一「プロとは軸がブレない人、自分の信じた目指すべきものを、ぶらさずに、徹底的にこだわって、それを実現に向って努力する人間」

などなど、なるほどなぁと思ふ。

 

ただ、そんなに難しく考えなくてもいいと思ふ。

ボクは、プロとは、それで金を稼ぐことだと思ふ。

結果を出すことだと思ふ。

そして、それで生活をしていくことだと思ふ。

 

だから、数多のボカロPたちも、

それで金を稼いて、それで生活をしていけるのならば、

プロボカロPだらうし、

生活していけないならば

アマチュアボカロPだらう。

 

どれだけすごい曲を創って、

何億回再生されようとも、

お金が稼げなかったら、それで生活していけなかったら、

アマチュアボカロPだらう。

 

ボクは当然、アマチュアである。

稼ぐ以前に、ほとんど聴かれることもない。

ただ、アマチュアで良かったと心底思ふ。

ボクは結果を出せないから。

ボクがプロだったら、大変だっただろうなぁ。

今まで、87曲創って、まぁ聴かれない。

現在88曲目を創っている。

米寿だ。

というか、ボクがプロだったら、大変以前に、

馘だね、馘。

結果出せないやつなんて、いらない、と言われる。

ボクでも言う。

そりゃそうだよね。

 

しかし、アマチュアは違ふ。

誰も聴かない曲「ことのは/おといろ」を87曲創ろうと、

88曲目を平然と創ることができる。

誰にも文句を言われない。

まぁ、自尊感情が低下するぐらいか(笑)

 

これだけ聴かれないんだから、やめたら?と言われるかもしれない。

時間のムダだと言われるかもしれない。

これが、時間のムダじゃないだよね。

すごく楽しいんだ。

自尊感情が低下するけど(笑)

 

前にも書いたけど、ボクは本気で

もう「ことのは/おといろ」が創れないんじゃないかと思ったことがある。

達成感があった、というか、

もう二度とここまでのことはできないんじゃないかと思った。

このために、今までボクは「ことのは/おといろ」を創ってきたんだと思った。

 

その後遺症が大きくて、実は、なかなか満足したものが創れなくなった。

あの時にやめていれば、ボクはすっかり音楽とは離れていただろうなぁ。

でも、結局、今も創っている。

 

これがボクの生きている意味なんだらうなと思ふ。

だから、アマチュアでよかったと思ふ。

プロだったら、ボクの生きる意味を取り上げられてしまふから。

 

プロって、大変だらうなぁ。

 

本当に好きなことでは、プロにならない方がいいんじゃないかと思ふ。

自分の好きよりも、結果を出すことを求められるから。

好きなことに苦しめられることになるだらうから。

 

まぁ、こんな風に考えているあたりが、

ボクの「ことのは/おといろ」が聴かれない原因かもしれない。

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