いまさら理解したベロシティの大切さ ~打ち込み臭くていいじゃないか、ではなかった~

タイトルに書いたように、今更、ベロシティということの大切さを理解したので、まとめ。
まぁ、現時点の理解なので、もっと奥が深いのかもしれません。

さて、最初の方は、ベロシティについてのボクの勘違いをつらつらと書いていますので、ベロシティの大切さを知りたい人は、目次をクリックして、とばしてもらえたらよいかと。

ベロシティについての勘違い

ボクは、楽器が弾けない。
楽器が弾けないボクでも作曲ができるというのが、DTMの素晴らしいところ。

楽器が弾けないボクにとって、打ち込みで曲が創れるというのは、楽器が弾ける人には理解できないぐらい、本当にすごいことなんですよ。
楽器が弾けるひとにとっては、直接楽器を弾くことと、打ち込むことを選択できるわけです。

けど、ボクには打ち込む以外の選択肢はないんです。

で、ベロシティの話。

ボクは、曲を創るうえで、ベロシティを触ったことが、ほとんどない。
これは、ミクさんの調声をほとんどしないことにも通じるわけです。

たぶん、作曲を始めたころに、「ベロシティは大事」ということを知り、そのころに少し触ったのですが、途中でやめました。
というのも、「ベロシティは大事」を間違って理解していなかった上に、音楽ということもよくわかっていなかったからなんですね。

ボクが完全に勘違いして理解したのだと思うのですが(いや、きっとそう書いていたものがあったから勘違いしたのだとは思うのですが・・・)、ボクは

「ベロシティ」は打ち込み臭さをなくすためのもの

と理解していたわけです。

人間は、ドラムを叩くにせよ、ピアノを弾くにせよ、ずっと同じ力をかけられるわけじゃないんです。
同じ力で叩いたり、弾いたりしているつもりでも、そこに力のばらつきが生まれる。

だから、ベロシティの設定が一定なんていうのは、非常に機械的だということ。
つまり、

ベロシティが一定=機械的=打ち込み臭い

ってことになるわけです。

さて、楽器が弾けないボクにとって、楽器が弾けないことに引け目があるというか、劣等感があるわけです。
そういう人間が考えることって、しょせん、次のようになるわけです。

打ち込みをしているのだから、打ち込み臭くていいじゃないか。
打ち込み臭くて、何が悪いんだ。

いわゆる、負け犬の遠吠えというやつです。

だって、選択肢は2つしかないわけです。

1 楽器を弾けるように練習する
2 楽器が弾けなくて何が悪いと開き直る

しかし、これまで何度も憧れて、挫折した人間にとっては、選択肢は1つしかないわけで・・・

まぁ、結局、そこまで練習して弾けるようになりたいとも思わないから弾けないのであって、そこにDTMという弾けなくても大丈夫なものが存在してしまっているのが助長するわけです。

そうなると、最終的にいきつくのは、当然、次のようになります。

打ち込みのくせに、本当に弾いているようにみせるなんて、恥ずかしくないのか。

そうなると、打ち込み臭さを全面にだしてやろうじゃないか、となるわけで。

ということで、

打ち込み臭さ万歳=機械的万歳=ベロシティなんざ触らねぇ

になりましたとさ。

ヒューマナイズ

言い訳をさせてもらうと、ボクがこう勘違いした理由がもう一つあります。
Studio Oneには「ヒューマナイズ」という便利機能があります。

MIDIノート(この画像はStudio Oneのドラム打ち込み用の画面になっていますが・・・)、あるいはベロシティの上で右クリックすると、こんな画面が出ます。
そこに「ヒューマナイズ」というのがあります。

クリックすると、こんな感じ。

この「ヒューマナイズ」というのを使うと、ベロシティやノートスタートをずらしてくれるようになります。
「範囲」というのは、どこまでずらしてよいかの範囲ですね。

今、ベロシティは-10~+10になっていますので、そのままOKを押すと、こうなります。

なんて便利な機能でしょう。
自動で、ベロシティがばらつきました。

さて、もう一度、書かせてもらいます。

ベロシティを(今回はしませんでしたが、タイミングも)適度にばらつかせることができる機能の名前が、

ヒューマナイズ=人間らしく

です。

ボクは人間らしくしたいわけじゃないから、いらない機能だ!

ベロシティの大切さ

ということで、

ベロシティは打ち込み臭さをなくす、ごまかす、実際に演奏しているように見せるためのもの

とボクは理解していたのですが、間違えていたということに気づいたというお話。

では、ベロシティって何が大事かっていうと、音を確認すると、一瞬で分かってしまいます。

Studio One付属のImpact XTで、ハットを鳴らします。
ベロシティ一定

ベロシティ調整

こういうことです。

さらに、キックとスネアを足してみる。
ベロシティ一定(ハイハットのみ)

ベロシティ調整(ハイハットのみ)

ピアノでも見ていきましょう。
Studio One付属のPresence XTで、コードを弾いてみます。
ベース音の方のベロシティを調整します。

ベロシティ一定

ベロシティ調整

つまり、機械的とか人間的とかいう話ではないじゃないですか。
これ、音楽的な話ですよね。

同じ音を鳴らしていても、全然違いますよね。
ドラムも「同じリズム」を鳴らしていても、「リズムが異なる」。

いつ音を鳴らすか、だけがリズムじゃない

ということですね。

ラウンドロビン

もう一つ、聴いてもらいましょう。

これ、MODO DRUMのハイハットを鳴らしたものです。
Impact XTと違い、ベロシティ一定なのに、なんか違いませんか。

これ、ベロシティの話と別の話になるのですが、これ、ラウンドロビンという機能です。

ざっくりといえば、プラグインというのは、録音した音を、スイッチで再生しているという認識で良いかと思います。
当然、

同じスイッチを押せば同じ音が出る

ということです。

しかし、高価なプラグインの場合、ベロシティごとに別のスイッチになっている場合があります。
つまり、ベロシティが100のときの音と、ベロシティが50のときの音と、ベロシティ30のときの音、3種類の音をちゃんと別で録音して用意されているわけです。

このあたりは、別のところで書いたので、置いといて・・・

けど、今回はベロシティを一定なのに、音が違う。

これがラウンドロビンという機能で、

同じスイッチに対して、複数の音を録音して用意してくれていて、それをランダムに再生してくれる

という機能です。
ベロシティが違う場合の音ではなく、ベロシティが同じ場合でも、複数の音を出してくれる。

すごいですよね。

これがあることで、ベロシティの設定をしなくても、なんとなくリズムが生まれる。
もちろん、設定をした方がよいんですけども。

高価なプラグインは、こういうところが高価である所以ですね。

もちろん、高価なプラグイン全てにラウンドロビン機能があるわけでもないですし、安価なプラグイン全てにないわけでもないですから、確認が必要ですけど。

ベロシティと音量の違いについて

ベロシティと音量の違いについては、こちら。

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