DTMを始めたころは、とりあえず、音が鳴ることに感動したものです。
ミクさんが歌った!
ピアノが鳴った!
何かわかんないフォンフォンした音が出た!
DTMの初心者によくあることだと思います。
そして、この感動が、何よりも純粋なものだと思います。
さて、その純粋な感動のままDTMを続けていけるかというと、なかなかそういうわけにもいきません。
というのも、曲を創り続けているうちに、どうしようもない、他の人たちとの差に気がつくのです。
そして、考えるのです。
きっと、使っている何かが違うのだ、と。
これは、ある意味正解であり、ある意味大間違いなんですけどね。
DTMを始めるまでに、何らかの形で音楽に触れてこられた方の場合は、また違うのでしょうけど、ボクみたいに、全く音楽というものに触れてこなかった人間だとそうなっちゃうのです。
ある意味正解と書きましたが、ボクの場合は、「音圧」というものを知った時の衝撃。
音圧については、衝撃的すぎて、ボクのブログに何度となく出てきています。
音圧なんて知らない頃は、最大音量になるように、メーターとにらめっこしていたわけですよ。
よし、これで最大だ!と確信して、他の人と比べると、哀しすぎるぐらいの音量の違い。
EQだのコンプだのリミッターだのマキシマイザーだのを知らないんだから、使っているものが違うと言えば、そうなんですよね。
まぁ、DAWに入っているのに、気づいてもいなかったんだけど。
で、音圧というものを知ったときに、ボクの「ことのは/おといろ」は劇的に変わりました。
他の人に比べて、しょぼかった、貧弱だった音が、それほど見劣りしなくなったわけです。
使っているものが違う、その通りなんです。
・・・なんですが、音が出たら良いというものではないという、当たり前のことに、後で気づくわけです。
で、その、使っている何かが違うんだ!と思っていた頃に聞いたのがOTTというプラグイン。
ネットなどで見ていると「挿すだけで音が良くなる!」なんて、みんなが書いていて、「そうか、挿すだけで音が良くなるのか!こういうやつだな、みんなが使っているのは!」と思ったものです。
実際、「すげぇ、めっちゃいい音になるじゃん!」と思ったものです。
その時の「すげぇ」に嘘はないわけですが、改めて考えると、「挿すだけで音が良くなる」なんてのは「嘘」ですよね。
嘘というと語弊がありますが、挿すだけで音は良くなるのではないのです。
挿すことで、
音圧があがったり、
低音が強調されたり、
いい感じに歪んだり、
音がクリアになったり、
他の楽器の中でも存在感が出るようになったり、
するプラグインがたくさんあります。
けど、挿すだけで音が良くなるなんてことはないです。
つまり、「音が良くなる」が、そもそもおかしな話なんですよね。
「音が良くなる」というのは、「良い音」というものが存在するわけです。
では、「良い音」って何だ?ってなると、はっきり言って、そんなのは無限に存在するわけです。
人によって違うと言ってもよいでしょう。
ある人にとっては良い音が、ある人にとっては不快な音だったりします。
存在感がある音が良い音かというと、こいつが存在感があり過ぎて邪魔だという場合だってあります。
結局、自分が何を求めているか、なんですよね。
キックの低音を強調したい!って思っていれば、低音を強調できるプラグインが必要なわけで、
低音をすっきりさせたい!って思っていれば、低音をすっきりさせるプラグインが必要なわけで。
ということで、「挿すだけで音が良くなる」って書いている人は、きっとボクみたいな音がよくわかっていない人か、
音のことをすごく理解しているけど、ボクみたいな音がよくわかっていない人にもわかるようにわざと書いているかの、どちらかなんじゃないかと思ふ。
そして、求める音(そもそも、求める音ってのも難しいんだけど)を実現できたとしても、作詞、作曲、編曲、ミックスが良くなかったら一緒だという、大きな大きな壁が待っているのでした・・・
なんて書きながら、ボクなんか、音も音楽もよくわかんないけど、わかんないままプラグインをいじっているのが好きなんだけどね。
そういう楽しみ方もあるというお話。
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