32.こっちのコンプはあ~まいぞ♪ ~コンプレッサーの役割~

最近プラグインを紹介しているんだけど、基本的なところも確認しておこうと思う。
基本的なエフェクターと言えばコンプレッサー、
とボクは勝手に思ってる。

もう一つの基本的なエフェクターはEQ。
これもボクに独断と偏見だが。
で、EQについてはわかりやすいんですよね。

けど、コンプって何だ?って感じなんだよなぁ。
ということでコンプの役割。

コンプの役割

コンプは音を大きくするもの、という認識もあるらしいですが、
正確には違います。

「正確には」と書いたのは理由があります。

まぁ、実際に見ていきましょう。

例えば、これ。

このキックにコンプをかけるとこうなる。

はい、小さくなりました。
コンプをかけると音は小さくなります。

じゃぁ、何でコンプが音を大きくするものと認識されるのか。
コンプをかけて小さくなったものを、もう一度ボリュームを上げて元の大きさにします。
すると、こうなる。

大きくなりました。

コンプをかけてから、ボリュームを上げると、元よりも大きくなる。
だから、コンプは音を大きくすると思われるわけですね。

じゃあ、なぜ大きくなったのでしょうか。

目で見てみましょう。
元がこれ。

見たらわかるように、音というのは、同じ大きさでなっているわけじゃないです。
キックの場合は、最初に一番大きな音が出て、少しずつ小さくなっていく。

で、コンプをかけたのがこれ。

わかりにくいかもしれませんが、全部小さくなっているわけではないんです。
音の後ろの方は変化があまりありません。
でも、最初の大きな音が小さくなっています。


つまり、この黄色の線を越えた大きさだけを小さくしているわけです。

こうすることにより、この黄色より大きい部分に余白ができますね。
だから、この余白ができたところの分だけ、ボリュームを大きくすることができる。

すると、元の音よりも、大きな音が出ている時間が長くなりますね。

結果、音が大きく感じられるわけです。

今回はわかりやすいように、極端な設定にしたので、音があまり良くないですが、つまりは、これがコンプの役割ですね。

では、実際の設定の仕方を見てみましょう。

Studio One付属のCompressorの見方

Studio One付属のCompressorです。

このコンプが見た目的にはわかりやすいと思います。
まぁ、多くのコンプがこんな感じだと思いますが。

画像にあるように、横軸は元の音の大きさ、縦軸は出力の音の大きさです。
斜めに線が入っています。
また、真ん中ぐらいに青い点がありますね。
実際には音の大きさに合わせて、青い点が、この線の上を動きます。


この状態ですと、元の大きさが、そのままの大きさで出力されます。

Threshold・Ratio

この斜めの線を、このように折り曲げます。

すると、こうなります。

つまり、途中までは元の大きさが、そのままの大きさで出力されます。
でも、線が曲がったことにより、元の大きさがどれだけ大きくなっても、
出力される大きさは大きくならないわけです。

これが、先ほどの、黄色い線を越えた分は、それ以上音を上げないですよ、という設定です。

色々な色で線を足しましたが、線を、どの角度で折り曲げるかを決めるのが、Ratio(レシオ)と呼ばれるものです。

真っ直ぐの状態から、ちょっとずつ曲げていって、戻していくと、こんな感じ。

だんだんと抑えつけられてますね。

今度は、線を曲げるところを変える場合ですね。
どこから線を曲げるかを決めるのが、Threshold(スレッショルド)と呼ばれるものです。

スレッショルドを一番上から、だんだん下に下げていって、戻していくと、こんな感じ。

一番上にあると、音が一番大きいところだけが抑えつけられますが、
スレッショルドが下がるにつれ、小さい音も抑えつけられるので、だんだん小さくなりますね。

この、レシオとスレッショルドがコンプの基本的な要素になります。

Attack・Release

あとの要素は簡単に説明するので、実際にさわりながら理解してください♪
Attack(アタック)とRelease(リリース)。
これは「せっかち」か「のんびりや」かを選ぶ要素。

アタックは、スレッショルドより音が大きくなった時に、
「オッケー、すぐ抑えつけるぜ」ってするか、
「んー?あぁ、届いた?じゃぁ、抑えつけるかぁ」ってするかです。

リリースは逆で、スレッショルドより音が小さくなった時に、
「オッケー、抑えつけるのは、すぐやめるぜ」ってするか、
「んー?あぁ、もういいの?じゃぁ、抑えつけるのはやめるねぇ」ってするかです。

Knee・Makeup

Kneeは見た方がわかりやすいですね。

Kneeというのは、膝のことですね。
ここからはぴったり圧縮するよ、だいたいこのあたりから圧縮するよ、みたいな設定ですね。

で、Makeupってあるのが、ボリュームですね。
プラグインによって、Gainとか、Outputとか、表記が違うみたいですが、
抑えつけた後に、もう一度、大きくするためのものです。

で、それぞれの設定がどれぐらいが良いか、というのは、わからないです。
というのも、音源によって、設定が変わってきますし、
求める音によっても変わってきます。

結局、自分の耳で決めるしかないわけです。
まぁ、プラグインによっては、プリセットがある場合もありますので、
プリセットがあれば、とりあえずプリセットを使ったらいいでしょう。
キック用とか、スネア用とか。

サイドチェイン

最後に、コンプレッサーには特殊な使い方があります。
それが、サイドチェイン。
これについては、ここに書いているので、こちらを参考にしてください♪

エフェクターの役割と基本の一覧はこちら

コメント

  1. アイソスタシー より:

    おぉ!この記事めっちゃ分かりやすかったです!
    図による視覚と、試し聴きの聴覚も合わせてて、どうやったら分かりやすく伝えられるのかという参考にもなりますね。

  2. SSS SSS より:

    分かりやすいですか!
    良かったです!
    できるだけ、理解しやすいようにとは思って気をつけましたが、
    そう言っていただけると何よりです♪
    素人だからこそ、素人にわかりやすく書けるのでは?と思っているんですけどねぇ。