プラグインが三度の飯より好きというボクが、初心者DTMerが最初に買うべきプラグインについてまとめてみようと思ふ。
2022年7月時点です。
というのも、プラグイン大好きなボクは、これまで色々な失敗をしているからだ。
いや、失敗というより、損をしている(その損も含めて楽しんでいる節もあるが・・・)という方が正しいだろうか。
これからプラグインを購入する人が損をしないための助けにでもなればと思ふ。
その前に(重要なことではあるけど、とばしても良いやつ)
買うべきプラグインについて紹介する前に、いくつか書いておくことがある。
使っているDAWはサードパーティ製のプラグインを使用できるのか
まず確認しないといけないのが、自分の使っているDAWについて、である。
ボクはStudio Oneを使っていて、他のDAWを使ったことはないので、Studio Oneを例に書きます。
Studio Oneには無料版のPrimeというのがある。
このPrimeというのは、サードパーティ(使っているDAW以外のメーカー)製のプラグイン(以下、有料プラグイン)は使うことができない。
購入前に、自分の使っているDAWは、有料プラグインを使えるかどうかの確認が必要
です。
ちなみに、Studio Oneは有料版として、Artist、Professionalの2種類がある。
以前は、Artistは有料版なのに、有料のプラグインは使えなかったので、Professionalを手に入れるしか方法がなかった。
しかし、今は、Artistでも有料プラグインを使えるようになったので、Primeを使っている人は、まずArtistを購入する必要があります。
ちなみに初音ミクを買うとStudio One Artist Piapro Editionがついてくる。
ただし、このPiapro Editionは有料プラグインを入れられないみたいです。
PreSonusのオーディオインターフェイスには、Studio One Artistが付いてたりもするので、オーディオインターフェイスを購入する場合は、慌てて買わないように。
というように、今後購入する予定のものに、DAWが付属していたりするので、気をつけないといけませんね。
というか、オーディオインターフェイスって、必ずしも必要ではないのだけど、DAWがついてくるなら、そっちを買う方が得ですよね。
有料プラグインが付属プラグインより良いというのは幻想だ
DAWには、概ねプラグインが付属している。
Studio Oneの場合、ArtistとProfessionalで付属プラグインに微妙な違いがあるが、だいたいのプラグインはArtistに入っている。
Prime、Artist、Professionalに、どのプラグインが入っているかはこちら。
さて、ボク自身がそうなんだけど、有料プラグインの方が優秀っぽく思えるんですよね。
有料プラグインを買うと、自分の創っている曲が急にレベルアップするに違いない、と。
これ、勘違いですので。
さて、有料プラグインが付属プラグインより性能が良くないのなら、誰も買わないのではないか?と思いませんか。
違います。
有料プラグインは付属プラグインより、概ね性能が良いです。
有料ですもの。
「言っていることが違う」と思われたかもしれませんが、ボクが書いたのは、「有料プラグインが付属プラグインより良いというのは幻想だ」です。
有料プラグインは付属プラグインより性能が良い。
性能が良いとは、どういうことか。
性能が良いというのは、色々な設定ができる(それだけでもないのですが・・・)ということです。
色々設定ができるということは、色々設定しないといけない、ということでもあります。
ボクが言いたいのは、
使いこなせない有料プラグインよりも、使いこなした付属プラグインの方が良い
ということです。
しっかりと使えば、付属プラグインでも大体のことができます。
特に初心者の場合、付属プラグインで十分で、困ることなんてありません。
まずは、付属プラグインを徹底的に使ってみましょう。
無料プラグインが有料プラグインに劣るということもない
同じく無料プラグインというものが多数あります。
無料と有料だと、有料の方が良い気がします。
これまた、それはそうなんですけど、無料プラグインなんてゴミ程度で、使い物にならないかというと、全くそんなことはありません。
付属プラグインと同程度のものもあれば、これ有料でもいいんじゃないか?というものもあります。
下手な有料プラグインより、無料プラグインの方が使えるという場合もあります。
ということで、付属プラグインだけというのもなぁ、という人は、無料プラグインを手に入れてみるのもよいでしょう。
また、有料プラグインを使えないDAWは、無料プラグインも使えませんので、無料プラグインを導入することで、有料プラグインが使えるDAWかどうかの確認もできますね。
プラグイン買うんじゃない、夢を買うんだ。
さて、ここまで書いておいてなんですが、それでも有料プラグインは魅力があるんです。
音が変わるかどうか、自分に必要かどうか、使いこなせるかどうか、そんなことはどうでもいいんです。
なぜなら、そこには夢とロマンがあるのです。
もう、それは人間には制御できないものなのです。
そもそも、コンプが5こも6こもあったって、使わないんですよ。
正確に言えば、コンプごとにクセや特徴があったりします。
で、そのクセを完全に把握して、使い分けることができるのか、というと、素人には無理な話なわけです。
結局は気に入ったプラグインを1つをずっと使うというのも、よくある話です。
でも、ほしいんですよ。
複数持っていることで、よい点といえば、
「今回はこっちのコンプを使ってみるか」と、
ちょっと音楽をわかっている風を装うことができることでしょうか。
あと、先ほど、気に入ったプラグインをずっと使うと書きましたが、自分のお気に入りのプラグインを探し続ける旅と言ってもよいかもしれませんね。
今はこれがお気に入りだけど、新しく買ったプラグインが、自分の本当のお気に入りになるかもしれない。
そんな夢を、ただただ追い続けるわけですね。
ということで、前置きは終わって、じゃあ、初心者DTMerは最初に何を買うべきかという話に入ります。
お金を貯めて、セールを待って、バンドルを買え
初心者DTMerが最初に買うべき「プラグイン」と書いておきながらなんですが、買うべきは「バンドル」です。
バンドルというのは、プラグインのセット販売です。
プラグインの価格って、あってないようなものです。
バンドルの価格設定もえげつないんです。
単体で2つ分や3つ分の価格で、数十個のプラグインが入っているバンドルが買える場合もあります。
ただ、複数セットになっている分、どうしても、価格が上がってしまいます。
必要のないもののために、お金をかけることも馬鹿らしいですが、まず単体で買う方が損をします。
なぜなら、そこにはロマンがあるから。
絶対に、後々、あれもほしい、これもほしいとなるからです。
で、困ったことに、単体で持っているからって、そのプラグインが入っているバンドルを買う時に、持っているプラグイン分、安くなるということがないんです。
つまり、同じものに2回お金を払わないといけないんです。
ということで、プラグインにロマンも夢もないだろうという、冷静沈着、鉄の意志を持つ人以外はバンドルがよいです。
あと、必ずセールを待つべきです。
これまた、セール時の価格設定もふざけてます。
半額なんてざらで、90%OFFなんということも珍しくないです。
狙い目は11月にあるブラックフライデーです。
たぶん、1年で一番安くなります。
もちろん、違う時期に安くなる場合もありますので、購入したいプラグインについては、セール情報を調べてみてください。
ボクのブログでも、何となく記録していますが、ネットで調べたら、過去のセール情報も結構見つかるものです。
初心者DTMerが最初に買うべきプラグイン
いよいよ、本題です。
「その前に」を読まれた方はお待たせいたしました。
あくまで、最初に買うべきプラグインの紹介です。
性能が一番良いプラグインというのとは、また異なる部分もあるかと思います。
NATIVE INSTRUMENTS社のKOMPLETE13
音源が欲しい人におすすめなのが、これ。
KOMPLETE13には、SELECTやULTIMATEなどの種類がありますが、何もついていない、いわゆる無印と呼ばれているものです。
これの良いところは、このバンドルを買えば、だいたいの音源が手に入るという点です。
ドラム、ベース、ギター、ピアノ、オルガン、シンセ、ストリングス、ブラスなどなど。
もう、これだけあれば、十分でしょう。
もちろん、より音が良いプラグインもありますが、それはまた先のお話ですね。
エフェクターも16種類あるので、まぁ、これだけでだいたいのものが揃います。
個別で購入した場合、93万500円するのが、バンドルで4万8400円。
93万円と考えると、5万円なんて大した金額じゃないように思いますが、5万円自体はやはり高額。
そこだけが難点でしょうか。
iZOTOPE社のMix&Master Bundle Advanced
音源よりもエフェクターがほしい人におすすめなのが、こちら。
Ozone 9 Advanced、Neutron 4、Nectar 3 Plus、Neoverb、Tonal Balance Control 2、Melodyne 5 Essentialが入っている。
特に、Ozone 9、Neutron 4、Nectar 3 Plusが優秀。
元の音源を分析して、AIが自動的に必要なエフェクターを挿して、自動的にエフェクターの設定をしてくれる。
Nectarはボーカルを自動でイイ感じにしてくれる。
Neutronは楽器の音源を自動でイイ感じにしてくれたり、さらに各楽器の音量バランスを自動で調整してくれたりする。
Ozoneは、最終的なミックス全体を自動でイイ感じにしてくれる。
と、AIばかり書いていますが、この3つのプラグインは、実は、エフェクターの集合体なんです。
その中に入っているエフェクターを、自分で選んで、自分で設定することもできます。
つまり、プラグインとしては6つセットのようですが、この中にたくさんのエフェクターが入っていますので、大量のエフェクターのセットなんですね。
Mix&Master Bundle Standardというのもあります。
そして、AIもついています。
けど、Advancedをお勧めします。
そもそも、セットになっているプラグインが、Ozone 9 Standard、Neutron 4、Tonal Balance Control 2の3つだけです。
他のものはさておき、ボーカル用のNectar 3 Plusが入っていないのは痛い。
Ozone 9がStandardになってしまいます。
AdvancedとStandardでどう違うか。
AIばっかり書いていますが、自分で設定したいって場合もあると思います。
自分で設定することはStandardでもできます。
ただ、Standardの場合は、Ozone9の中でエフェクターを追加したり設定したりしないといけません。
Advancedの場合は、Ozone9に含まれるエフェクターを単体で使用することができます。
たいした違いじゃないように思うかもしれませんが、これが大きな違いなんです。
というのも、Ozone9の中でエフェクターを追加したり、設定したりする場合、CPU負荷が高くなってしまうんです。
全てのトラックに挿したら、もうPCが動かなくなる可能性があるんです。
まぁ、パソコンの性能との関係もあるので、一概には言えませんけど。
ただ、気になるのが、Neutron 4の存在。
というのも、少し前のNeutron 3だった頃は、StandardとAdvancedの2種類があったんです。
それが、Neutron 4になった時点で、その区別がなくなったんです。
つまり、Ozone9もOzone10になった場合、区別がなくなるかもしれませんね。
Ozone10が出ることが決まったらしい。
Advancedは残るようだ。
なんでNeutronは区別がなくなったんだろう。
ということで、どうしても金銭的に厳しいという場合は、Standardを購入してから、Advancedに変えるという方法もあります。
こちらは、アップグレードの対象になってたりするので、多少は損するかもしれませんが、まるまる損をするということはないと思います。
また、もっと多くのプラグインも入ったバンドルもあるのですが、正直、初めて買うには、金額が高すぎるという問題があるので。
Standardが個別で購入した場合847ドル、バンドルが499ドル。
Advancedが個別で購入した場合1694ドル、バンドルが699ドル。
うーん、Advancedも結構な額ですね。
WAVES社のGOLD
たぶん、ほとんどの人が最初に買うバンドルではないだろうか、というのが、このGOLD。
なんとなく、これがスタートというイメージがあります。
こちらもエフェクターが欲しい人用。
音源はない(1つだけありますが・・・)です。
iZOTOPE社のMix&Master Bundle Advancedが厳しいという人はこちらかな。
Mix&Master Bundle Advancedと同じエフェクターが入っているというわけではありませんが、これを買えば、概ね、必要なエフェクターは手に入るかな、という感じですね。
価格が799ドルで、こちらも高価なんですが、ほぼ年中セールをしているので、これを書いている時点で179.99ドル。
これまでの価格で言えば、1万円ぐらいで売ってることもありました。
ちなみに、WAVESのGOLDを持っている人は、iZOTOPE社のTonal balance Bundle(Mix&Master Bundle AdvancedのNeoverbがないやつ。Neoberbがリリースされる前のやつですね)が安くなるというクロスグレードというのが以前ありました。
ボクはそれで、Tonal balance Bundledを買ったので、随分、安く手に入った記憶があります。
さらに、Tonal balance BundledからMix&Master Bundle Advancedへのクロスグレードが出てきたので、Mix&Master Bundle Advancedを最初から買うより安く、プラグインも多く手に入りました。
ちょっとした、わらしべ長者的なやつですね。
しかも、わらしべ長者と違って、交換じゃないから、さらにお得。
ということで、こういうわらしべ長者てきなのを狙って、とりあえず、こっちを買うというのも、一つの手かと。
これで十分であればそのままで良いですし、ボクのようにクロスグレードでiZOTOPEのもありかと。
ただ、WAVES社はアップデートプランという、一般にお布施と呼ばれたりする、お金をむしり取られるシステムがあるのが難点。
1年経つと、アップグレードしてくれなくなって、アップグレードするためにお金が必要というシステムです。
購入したプラグイン自体は使えるので、アップグレードしないという選択をすればお金は必要ないのですが、たとえばOSが変わったりした場合が問題ですね。
WindowsやMacのバージョンが上がった場合に、そのOSに対応していないと使えなくなってしまいます。
初心者DTMerが2番目に買うべきプラグイン
最初に買うべきプラグインは、それなりのものを、だいたい揃える方がよいかと思って、上の3つを紹介した。
そういう意味では、ここから先は単体が多いので、2番目に買うべきプラグインとした。
2番目と書いたけど、人によっては最初に買うべきプラグインとしてもよいかもしれないので、一応紹介しておく。
ちなみに、あくまで初心者DTMerが買うという前提なので、ガチもののプラグインは紹介しないですよ。
WAVES社のOneKnob Series
これはボク的なおすすめ。
8種類のエフェクタープラグインのセット。
249ドルだけど、これまた、年中セールをしていて、これを書いている時点で、83.99ドル。
これ、何がおすすめって、ノブを回すだけのシンプル・プラグインなんです。
つまり、ほとんど、何も設定できない。
何も設定できないんだけど、逆に言えば、深く考えずにすむ。
色々といじりたい人にとっては物足りないでしょうけど、いや、エフェクターにごちゃごちゃ時間をかけたくない、という人にとっては、素晴らしいプラグインだと思います。
だから、人によって評価は分かれるかもしれません。
TOONTRAC社のEZシリーズ
ベース、ドラム、ピアノについては、初心者にはこちらがおすすめ。
EZ bass、EZ DRUMMER3、EZ KEYSがある。
なぜ、初心者向けかというと、簡単に言えば、フレーズ集みたいなのが入っているんです。
最近、増えてきましたけど、まぁ、入っているフレーズを選ぶだけで、良い感じの曲ができちゃう。
もちろん、フレーズを自分で変更できますし、そもそも最初から自分で打ち込むことも可能です。
ちなみに、フレーズ集も追加で購入できます。
UJAM社のヴァーチャルシリーズ
こちらも、TOONTRACK社と同様にフレーズを選ぶだけでよい感じの曲ができあがる系。
ビート、ピアノ、ベース、ギター、ドラムなどがある。
自動演奏系。
こちらも、自動演奏ではあるけれども、変更でもできるし、自分で打ち込むことも可能。
こちらは、フレーズの追加はできないです。
ただ、EZシリーズにないギターがあるのがポイントかな。
reFX社のNEXUS4
シンセっぽい音が欲しい人はこちら。
そもそも、シンセサイザーというのは、自分で音を創るための道具なんですね。
けど、そう簡単に音なんて創れない。
音を創れないけど、イイ感じのシンセの音が欲しいという人にとっては便利なのがNEXUS4。
これは、シンセサイザーではなく、シンセサイザーで創ったイイ感じの音を鳴らすことができる楽器と考えれば良いかと。
初心者が、シンセっぽい音を手に入れたい場合は、これが一番よいかな。
また、音も追加で購入できます。
だから、シンセサイザーで音を創りたいんだ、という人は選んではいけない。
NEXUS4は、音を創れないので。
音を創れる、本当のシンセサイザーとなると、これまた、いくつかメジャーなものがあり、選ぶのが難しい。
だから、ここでは触れないことにします。
ちなみに、NEXUSは、なぜかブラックフライデーではなく、クリスマスにセールをしています。
サブスクという選択肢
最近、プラグインのサブスクというのが増えてきている。
最初に買うべき3選は、全てサブスクという選択肢がある。
ボク的には、サブスクという選択肢はすごく損だという認識なんだけど、唯一、お金を貯めなくても使える、ということだけが良い点なのでしょう。
今回出てこなかったけど、Plugin Allianceのサブスクは、払った分と同じ額のバウチャー、つまりは商品券とでもいいましょうか、がもらえます。
spliceのサブスクは、価格分払い切れば、そのプラグインが手に入るので、サブスクというよりも分割でしょうか。
こういうサブスクであれば、全く損はないですけどね。
最後に改めて
最後に改めて、書いておきます。
今回あげたものは、初心者DTMerが買うべきプラグインです。
そして、初心者DTMerとはいえ、音楽自体は、たとえば楽器を使って演奏はできるんだ、作曲自体はできるんだ、っていう人向けじゃないですよ。
そういう人には、自動演奏だの、AIだのよりも、本当に音が良いものを選ぶ方がよいです。
今回あげたものが、音が悪いというわけではありませんが、そりゃ、本気で良い音を追求したプラグインには負けますよね。
ということで、プラグインを購入する際のヒントになれば、と思います。
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