果たして、そのエフェクターは必要なのか問題

エフェクターって、すごいですよね。
エフェクターを挿すだけで、ものすごく音が変わったりします。

エフェクターって色々な分類があるのですが、今回は、音エフェクターと表現エフェクターとに分けて考えてみます。
誰もそんな分け方をしていないと思いますけど・・・

音エフェクターというのは、コンプやEQ、サチュレーターなど、音自体を加工するエフェクターとします。
表現エフェクターは、ディレイやテープストップのような、音を加工するというよりは、音楽的表現的として使用するエフェクターとします。

この分類がどうこう、というのは、まぁ、さておきましょう。

今回、書きたいのが、音エフェクターの方のお話。

なにわともあれ、とりあえず次の音を聴いてください。
ボクの大好きなAvengerさんです。

で、そこに、Shadow Hills Mastering Comressor Class Aを挿します。

Shadow Hillsを4小節ごとにオフ、オン、オフ、オンで流します。

さて、どうだったでしょうか。

やっぱりエフェクターを挿すと良い音がするよねという方と、いや無しの方が好きだったなという方と、違いがわからねぇという方がおられるのではないでしょうか。
別に、何が正しいというわけではないですし、Shadow Hillsがイマイチだと言いたいわけでもありません(ボクは大好きです)。

今ここで書きたいのは、果たして、そのエフェクターは挿す必要があるのか、ということです。
ボクのような初心者って、何も知らないときはいいんですけど、知識を得るにつれて、「とりあえずコンプとEQは挿すものだ」と思うようになってしまうんですよね。

もっと言えば、コンプもEQも挿さないのは、さぼっている感、素人感、真剣にやってない感を感じてしまうんですよね。
なんか、一生懸命やってるんだったら、コンプやEQを挿して、設定して・・・それぐらいやるべきだろう、と。

なんでか、コンプとEQなんですよね(笑)

・・・えっと、ボクだけでしょうか。

さて、先ほどのAvengerさんの音ですが、エフェクトなしで改めて確認してみましょう。

Avengerのプリセットが全てそうというわけではありませんし、他の音源が全てそうというわけではありませんが、見ていただいたらわかるように、すでに大量のエフェクターが挿さっておるわけです。
先ほどの音の場合、マルチバンドリミッターまで挿さっているんですよ。

果たして、そこに追いコンプレッサーは必要なのかどうか。

「いや、挿したときの方が、かっこいい!」
「この音が欲しかった!」

という人は、もちろん、それでいいわけです。

けど、これだけのエフェクターが挿さって、できあがった音に対して、「とりあえずコンプは挿す」はどうなんでしょう。
むしろ、

Avengerを信じて、何も挿さない

というのも、ありなんじゃないでしょうか。

さて、ここでもう一つ大事なことがあります。

とりあえず、キックの音を聴いてください。

次に、ベースの音を聴いてください。

うん、低音は正義。

さて、同時に流します。

うん、汚い。
まぁ、予想されていた方も多いんじゃないでしょうか。

いい感じのキックの音といい感じのベースの音が合わさっても、いい感じのキックとベースの音には必ずしもならない

んですよね。

ということで、キックにEQを挿してローをカットしてみます。

はい、随分と変わりますね。

キックを単独で聴くとこんな感じ。

キック単独で聴くと、ものすごくへなちょこになってるんですが、ベースと一緒にならすと、そこまでのへなちょこ感はないですね。

つまり

音は単独でなっているわけではない

ということ。

だから、基本的に、

1.単独の音をよりいい感じにする
2.他の音と合わさったときにいい感じにする

という、2段階で、エフェクトを挿していかないといけないんですね。

ちなみに、先ほどのキックとベースですが、低音をカットする以外に、位相をそろえるというのも一つの方法であったりします。
MAutoAlignを挿してみましょう。

それがこちら。

少しだけ、すっきりとします。
ただ、やっぱり、ちょっと汚いかな、とは思います。

特に、低音は、音が汚くなりがちなので、

とりあえずローカット

は、「とりあえずコンプ・EQは挿す」よりは意味がありそうな気がします。

もちろん、これだって、「意図をもってローカット」が正しいんでしょうけど。

ということで、

エフェクターを挿さないことにも意味がある

というお話でした。

エフェクター挿さなくっても大丈夫ですよ♪

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